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(株)ブイ・テクノロジー【7717】の掲示板 2018/06/28〜2018/07/06

(その6)
続いて、残りのディスプレイ材料・部品関連情報を記載する。

5-7.LG化学:
 LG化学は、中国のOLED材料市場への参入を目的として、BOEの工場のある成都で、OLED材料技術センターの設立を進めている。LG化学が海外のOLED材料技術センターを設立したのは今回が初めてである。LG化学が中国のOLED市場の拡大に注目していることがわかる。更に、成都でLG化学がOLED蒸着装置を購入しようとしているという情報もある。蒸着装置は、OLED製造で重要な装置であり、OLED材料特性を評価するためのR&D用として使用されるという。これまで、LG 化学は主にLGディスプレイにのみOLED材料を供給していた。LGの有機ELパネルの実用化に伴い、ETL、赤色発光ホスト材料、HTL(Hole Transport Layer)の供給が開始され、材料事業が拡大している。しかし、成長を遂げるためには、LGディスプレイに頼るだけでは無く、事業規模を拡大するためには、海外市場を開拓し、売上を拡大する必要がある。
 LG化学が今後にBOEへOLED材料の供給を開始するとの情報がある。業界に精通している人は、「BOEは次世代のOLEDパネル材料にLG化学の電子輸送層(ETL)材料を使用する可能性が高い」と理解している。

5-8.メルク:
 メルクが上海にOLED技術センターを開設したと18日に発表した。
 投資額は世界一の1575億元。9つの6世代フレキシブルディスプレイの開発ラインを逐次設置する。そして、OLEDデバイスの製造並びに特性評価をするために、中国のディスプレイ企業にstate-of-the-art equipment and cleanroom facilitiesを提供するとしている。IHSMarketによれば、2020年に、中国はOLEDディスプレイの生産能力はグロ-バルマーケットの28%を占めて、世界第二のOLEDディスプレイ供給国となるので、それを見据えてこの技術センターは「OLED材料の研究開発のフロントランナーを目指すべき技術センターの中核となるだろう」とMichael Heckmeier( Head of the Display Solutions business)は語っている。

5-9.OLED発光材料市場:
 6月にUBIリサーチが発行した「2018年OLED発光材料産業レポート」によると、OLED発光材料市場推移(百万$)は、
    2018年:1344
    2019年:1818
    2020年:2561
    2021年:3529
    2022年:4324
 と、CARG34%で展開伸長すると予測している。国別では、中国のOLED発光材料市場が年平均69%で成長して、2022年には16.1億$に達する。
 一方、韓国市場は年平均21%で成長し、2022年には24.35憶$でシェアは56%で世界一を堅持していると予測している。日本は2022年では2.58憶$と予測され占有率は1%にも満たない。
 最近OLED材料メーカーが中国にR&Dセンターを設立することを検討している。LG Chemは中国成都にOLED材料テックセンター(Tech Center)を設立することが知られている。先日20日には、Merckも上海にOLED Technology Center Chinaを設立すると発表した。このようなOLED材料メーカーの動きは、拡大が続く中国市場を攻略するためだと考えられる。UBI Researchは、現在最大規模の韓国市場と比較して4倍以上早いペースで、中国のOLED市場は売上高を基準に年平均75%で成長しているという。

5-10.発光材料の注目材料:
 現状では、発光材料は蛍光材料とリン光材料が主体でいずれも、発光効率や寿命の点でも優れており、LEDとほとんど同じレベルまで研究が進歩した。しかし、消費電力の低減やディスプレイ解像度の向上には、高効率且つ超寿命の青色OLED発光材料が必要です。そこで、次期発光材料として注目されている発光材料に、TADF材料とSoluble材料があります。TADF材料に関しては、今までも何回も述べているので、ここではSoluble材料の現状に関して述べてみます。
 発光効率は、緑が87.1(cd/A)でもっとも高く、続いて赤、青と続き青色に関しては緑の1/10にも満たないのが現状です。
 寿命に関しても、赤、緑は1万時間を超えていますが、青はその1/20ぐらいです。今後の研究開発の進展に期待します。
 なお、ここで、現状の発光材料市場の売上高占有率も紹介しましょう。
ホスト材料:30.9%、ドーパント材料20.8%、・・・。
ホスト材料では、赤(41%)、緑(33%)、青(18%)、黄(8%)。
ドーパント材料では、黄(37%)、緑(35%)、赤(23%)、青(5%)。

5-11.アップル:
 アップルが「iPhone(アイフォーン) 」のコストを削減し、部品供給でサムスン電子への依存を減らす上で重要な一歩を構築するために、韓国のLGディスプレーから第1弾となる有機ELパネルの供給を近く受ける見込みと業界関係者筋が漏らした。最初の出荷量は200万-400万程度となる見通しで、アップル製品の販売台数からすれば比較的小さい。しかし、それでもサプライヤーが増えることはサムスンとの価格交渉に有利に働く。関係者らによれば、LGから供給される最初の有機ELパネルは今年発売される新型アイフォーンのモデルの一つに使われる。LGは同モデル向けのパネルを全て供給することを望んでいるが、それが可能かどうかはまだ不明で、出荷には2段階の承認が必要で、第1段階は7月ごろになる見通しという。
 一方、アップルとLGディスプレーはいずれもコメントを控えている。

5-12.サムスンディスプレイ:
 サムスンディスプレイがサムスン電子以外に、プレミアムOLEDパネルの販売拡大に積極的に乗り出した。 27日、業界によると、サムスンディスプレイは、中国のOppoにタッチ一体型フレキシブルOLEDディスプレイ(以下、Yオクタ)を納品する。オポティキが最近公開したフラッグシップスマートフォン「ファインドX」に、このオクタパネルを適用したものと把握された。ファインドXはフルスクリーンの携帯電話で、マートフォン前面のディスプレイが占める割合が93.8%である。ディスプレイは6.42インチOLEDで、画面両側面が曲がった形。 注目されるのはOppoに供給されたパネルが、このYオクタという点である。Yオクタは、タッチ機能をOLEDパネルに内在化したサムスンのディスプレイのみの独自技術である。タッチ一体型なので、タッチスクリーンパネル(TSP)を製造する必要がない。コスト削減が可能で、OLEDを薄く軽くすることができる。
 今後の関心は、Appleとの取引成立である。アップルは、年間に2億台のスマートフォンを作る。サムスンディスプレイは、アップルに、このYオクタ供給を推進していることが分かった。

次回は、新工場建設関連情報を。