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(株)ブイ・テクノロジー【7717】の掲示板 2018/03/10〜2018/03/21

毎年、ディスプレイ関連の話題が飛び出す時期が5月です。Vテクの決算発表時期でもあります。
今年も、5月20日~25日は「Display Week 2018」(ロサンゼルス コンベンションセンター)が開催されます。
◎5月20~25日はシンポジウム、セミナー。特に、注目は「SID(The Society for Information Display)。
◎5月22~24日は展覧会。スポンサーは、BOE,LGD,Microsoft、Visionox、Cynora、Solas OLEDなど11社。

 今年のSIDではAR/VR元年と言われていますので関連発表が注目されています。先日、グーグルがLGと共同で開発した画素密度1443ppiという高解像度のVR用ディスプレイを発表すると記載しましたが、東芝もAR用HMDを発表予定しています。現時点では、GoogleのPixel 2が441ppi、Galaxy Note8で515ppi、iPhone Xが458ppi、VIVE PROがディスプレイ1枚あたり3.5インチ 615ppiと考えれば、こたび発表予定のグーグルのVR用ディスプレイは3倍近く高精細だとわかります。SIDの前にGoogle I/O(5月8日~10日)もありますので、ひょっとすると、こちらで何らかの発表があるかもしれません。
また、これに関連する事項として、Googleは2017年5月、ハイエンドVRディスプレイを開発するため、主要なOLEDメーカーの1つと提携したことを明らかにしています。Nikkei Asian Reviewによれば、このメーカーはシャープとのこと。今後のシャープの高精細ディスプレイ開発にも注目です。Vテクの高解像度ディスプレイ開発用縦型蒸着装置はシャープと関連がありますので。2020年に縦型蒸着装置を開発し、鴻海・シャープの米国ウィスコンシンに建設(稼働は2021年)する10.5G大型液晶工場からの受注にも関連期待されているからです。
 
 AR/VR用高解像度ディスプレイ開発には、印刷方式では不可能で高精細ディスプレイ製造用蒸着装置が鍵を握っています。現状、スマホディスプレイ向け主体のシェア1位のキャノントッキの蒸着装置(400~600ppi)は使用できません。そこで注目されているのが、Vテクの高精細且つ高歩留まり(精細度向上に不可欠)の特徴を有する縦型蒸着装置とSunic Systemの面ソース蒸着方式です。面ソース蒸着方式では1500ppiのディスプレイ製造が可能と言われています。画素密度1000ppi以上の開発実績を有する両社の蒸着装置開発競争が今後激化すると思われます。その他の蒸着装置メーカー、サムスンに納入実績のあるAPシステム、Visionoxに納入実績のあるSFAなどとの開発競争にも注目すべきです。

(参考)
 なお、米沢市に進出したVETの概要も相当明らかになってきました。
(1)VET工場:
 米沢八幡原中核工業団地に立地、ルミオテックの工場と隣接する空き工場を合わせ建物面積6000平方メートルの工場。
(2)サンプル出荷:
 生産に必要な設備を現在調達中。4月に着工、8月に完成させて、10月からサンプル出荷を始める予定。20年度に160億円の売り上げを目指す。設備投資額は約50億円で、操業開始時20人を雇用する予定。
(3)蒸着マスク生産数:
 Vテクは米沢への工場進出で、新たに有機EL用蒸着マスクや蒸着装置製造に参入する。iPhone向け有機ELは、韓国サムスンが独占供給しているが供給能力が限られている。一方、Vテクはサムスンより高精細で製造が容易な次世代蒸着マスクを開発済み。工場本格稼働時には蒸着マスクを月産300枚を見込む。iPhone生産量の25%に相当する有機ELが生産できる規模という。
(4)城戸教授と杉本社長の取り組み:
 米沢進出は、有機ELの第一人者、城戸淳二・山形大学教授が橋渡しした。記者会見した杉本社長は「米沢は有機EL発祥の地。サムスンの高精細化は足踏みしており、特許技術でその限界を打ち破る」と話した。