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シキボウ(株)【3109】の掲示板 2020/02/08〜2020/02/24

武漢の新型肺炎感染者「最大9万人」論文の衝撃

2/16(日) 5:20


感染者は政府発表より遙かに多い…?※写真は本文と関係ありません(写真:財新編集部)
新型コロナウイルスの感染者が増え続ける中、中国政府の公式発表に”異議”を唱える論文が登場。現地の独立系メディア「財新」の記者が徹底分析した。
 
武漢には一体どれだけの新型コロナウイルス感染者がいるのか――。

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 医学関連の査読前論文プラットフォーム「medRxiv」で2月10日に発表された論文によると、2月9日までに武漢市内の感染者は、控えめに見積もっても5万4000人、最大で9万人に達しており、湖北省の武漢以外の都市の感染者は2万1000人に上るという。

 2月13日の湖北省衛生健康委員会の通達によると、2月12日までに同省で報告された感染者は4万8206人(内1万3332人は臨床診断による)。その内、武漢市の感染者は3万2994人(内1万2364人は臨床診断)だ。

■論文著者は中国の教授とアメリカの博士

 中央政府から武漢に派遣された指導小組(グループ)の副組長であり、治安・司法部門を統括する中央政法委員会の秘書長(事務局長)である陳一新氏は2月12日、「武漢の感染状況の不確定さを、はっきりと認識しなければならない」と指摘した。

 武漢の感染者数は未だ明確になっておらず、拡散規模についても比較的正確な予測がなされていない。関係各所の推計では、武漢の潜在的な感染者数は発表されているものよりも多いとされている。

 冒頭の論文のタイトルは「武漢市新型コロナウイルス感染者の統計推断」だ。著者は天津の南開大学統計データ科学学院の周永道教授と、アメリカのネブラスカ大学メディカルセンター公共衛生学院生物統計学科の専任講師であるJianghu (James) Dong博士。

 medRxivは2019年6月、アメリカのコールド・スプリング・ハーバー研究所やイェール大学、ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルが共同で創設したプラットフォームで、査読を経ていない研究内容をシェアすることができる。

 周教授らの研究は武漢市の一部の人々に対するサンプル調査を通じて行われた。研究者は3.3万人の武漢から浙江省温州に戻った人々、および1万人余りの武漢からシンガポールへ旅行した人々をサンプルにし、彼らの感染状況から、武漢とその周辺地域の全体的な感染率を推算している。

 1月27日から2月9日までに公表された感染確定情報によると、温州市の448人の感染者の内202人は、武漢及びその周辺地域にいたことがあると確認されている。また、武漢及びその周辺地域から温州へ戻ったのは3.3万人で、全員が1月29日までに戻っている。これにより研究者は、調査対象者の1月29日までの感染率は約0.61%だと見積もった。

 しかし、温州の人々の多くは武漢でビジネスをしており、普通の人に比べて他人との接触機会が多いため、このデータを基に武漢全体の感染率を推算するのは正確さに欠けるとも述べている。

 そこで研究者は、武漢からシンガポールへ旅行した人々の発病率を基に、約0.61%という結果に修正を加えることを決めた。

 2019年12月30日から2020年1月22日まで、合計で1万680人が武漢からシンガポールへ旅行しており、その中の少なくとも33人が新型コロナウイルスに感染していることが確認された。研究者は、このグループの1月23日までの感染率は0.3%以上であり、1月29日までの感染率はそれを上回るだろうとしている。

■家庭内の感染確率の上昇を考慮すると…

 研究者はこの2つのグループの感染率をまとめ、1月29日までの武漢の感染率は0.3~0.6%だとしている。武漢市政府が行った1月26日の記者会見によると、春節(旧正月)期間中、もともと武漢にいた1400万人中500万人が武漢を離れ、900万人以上は留まっていた。

 0.3%という感染率を基に計算すると、武漢には4万2000人の感染者がおり、その内2万7000人が武漢の市街地に、1万5000人が武漢の周辺地域にいたことになる。0.6%で計算すると8万4000人の感染者がおり、その内5万4000人が武漢の市街地に、3万人が武漢の周辺地域にいたことになる。

 1月29日以降の十数日間、温州市は感染が疑われる人や感染者と濃厚接触した人を集中隔離するなど、厳格な管理措置をとったが、市内の感染者数は未だ膨れ上がっている。財新記者が調べたところ、1月29日の温州市の累計感染者数は172人、2月9日には2.6倍の448人まで増加した。

 だが、武漢市には自宅に隔離されている感染が疑われる人や、軽症の感染者などがいることを考慮