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(株)アスカネット【2438】の掲示板 2017/01/17

AIPの現状について思うところをまとめてみました。

理論だけで具現化できていないアイデアも多い中、AIPはガラス&樹脂ともある程度の生産が可能な状態で、ガラス製に至ってはBMWも認める高品質なパネルの生産に成功しています。
デモの反応も良く、既にある程度の生産が可能であるにも関わらず採用が進まない理由は、目に見える需要がないこともあるのではないかと思います。
AIPが後発品であれば(高額でも)従来より価格が安いか品質が良ければ代替品としての需要がありますが、今まで世の中に存在しない製品だけに今すぐ何に使えば便利なのかが分からず、じっくりと潜在的な需要を掘り起こしていく必要があると思います。(空中タッチパネルだけでなく、凹面鏡やハーフミラーと組み合わせて様々な効果が得られる光学部品として)
靴を履く習慣の無い国で靴を売る苦労に近いかもしれませんが、一度当たり前になってしまえば他に無いだけに独占的な利益が得られるので、頑張りどころですね。

採用が進むためにも低価格化が重要で、そのための鍵が安価な樹脂製AIPの量産なのですが、現在の樹脂製はガラス製と同じく樹脂板を何枚も重ねて張り合わせたブロックをスライスして切り出す方式(バームクーヘンの薄切り)で製造されており、この方法では手間が多く、材料代くらいしかコストダウンできないようです。
様々な方法(金型でプレスかインジェクション、ナノインプリント?)で1枚板のAIPを製造する方法にチャレンジしているようですが、一度方針を決めて量産に入ると後から方針を変えるのは難しいため、ギリギリまでより安く、より高品質な製造方法を切磋琢磨しているのだと思います。(これは複数ある製造委託先の努力だと思いますが)

決算説明資料を読む限りリブ構造の実現には成功しており、リブ構造のより量産性の高い製作工程を探っている段階であるようですが、鏡面加工(蒸着)に難航している様子がうかがえます。(最大の課題と表現)

              上面は山も谷も透明(鏡面処理なし)
  リブ構造(あばら骨)     ↓↓
 ┌┐┌┐┌┐┌┐┌┐┌┐┌┐┌┐┌┐
 ││││││││││││││││││←全ての側面に鏡面処理
 │└┘└┘└┘└┘└┘└┘└┘└┘└  ★ここが最大の課題
 └─────────────────
                 ↑
              底面も透明(鏡面処理なし)

選択的な鏡面処理が難しいなら、全面蒸着したあと、谷を透明な樹脂で埋めて、上面と底面をカット(または研磨)する方法もあるかと思いますが、そんな単純な話ではないのでしょうね。

 上面を研磨        上面は透明
 ┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬
 ││││││││││││││││││←全ての側面だけ鏡面処理
 └┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴
 底面をカット       底面は透明

鏡面加工に成功すれば低価格&中品質(ガラス製は高価格&高品質)の樹脂製AIPでの量産化となるはずですが、今期中に鏡面加工の問題が解決できなくても、(不完全でも?)新方式かガラス製と同じ積層ブロックのスライス方式(中価格&中品質)のどちらかに絞り込むとあるので、樹脂製AIPの量産そのものは来期には開始されるのではないでしょうか。(それを前提とした商談も)
安価なオモチャなど幅広いジャンルでの採用を考えると、何とか低価格版の量産に成功して欲しいところです。

長文失礼しました。