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(株)アスカネット【2438】の掲示板 2019/04/27〜2019/05/16

>>975

アスカネットも日本カーバイドも、どちらも再帰性反射(反射した光が光源に戻る)を利用した空中結像の方式です。
(操作を検出するセンサーを組み合わせて空中タッチパネルにしているわけですが、空中結像とは直接関係がないのでセンサーについては省略します。)

日本カーバイドの方式は、再帰性反射シートとハーフミラーを組み合わせた方式(AIRR)で、次のような流れです。
・光源から発する拡散する光がハーフミラーを透過。(1/2のロス)
・透過した光が再帰性反射シートに反射して光源に戻っていく。
・光源に戻る途中でハーフミラーに反射。(さらに1/2のロス)
・光源とは別の場所に焦点を結ぶ。(空中結像)
・空中の焦点から再び拡散する光を見る。(空中から発する光が見える)

 ━━━━━━━再帰性反射シート(日本カーバイド)
 \ ↑↓
  \↑↓
   \ →→→○空中結像
   ↑\
   ↑ \ハーフミラー
   ↑ 
   ●光源

再帰性反射シート(一般的にはマイクロビーズ)もハーフミラーも安価に入手可能で簡単に大型化できますが、この方式はハーフミラーのロスが多いのと再帰性反射シートの解像度不足と乱反射(ビーズの中央を通る光のみ再帰反射)のため「暗く不鮮明」な画質になります。

日本カーバイドは従来より高性能な再帰性反射シート(プリズム型超高輝度再帰性反射シート)の技術があるので、一般的なマイクロビーズを使用したAIRRよりは高性能な空中ディスプレイを実現できます。

アスカネットの方式は、プレート1枚で空中結像を可能とする方式で、次のような流れです。
・光源から発する拡散する光がASKA3Dプレートに当たる(照らす)。
・プレートの裏側(光源の面対称の位置)に焦点を結ぶ。(空中結像)
・空中の焦点から再び拡散する光を見る。(空中から発する光が見える)

       ○空中結像
      /
     /
    /
 ━━━━━━━ASKA3Dプレート(アスカネット)
    \
     \
      \
       ●光源

ASKA3Dプレートは90°に交差する鏡の集合体で、左右&前後方向の光は再帰反射し、縦方向の光は通常の反射となるため、プレートの反対側に再帰反射する仕組みです。

■上から見た図

   左右
   / \
  / → \
   ↑ ↓
前後 ↑ ↓再帰反射
   ↑ ↓(90°内の光はどの角度でも光源に戻る)
   ● 
  光源


■横から見た図

 反射して反対側に抜ける
   \
    \│
    /│
   /
  ●
 光源

プレート1枚で空中結像を可能とするASKA3Dプレートは、効率が高く(明るく)鮮明な画像(解像度が高い)が得られますが、ガラス製プレートは加工が難しく大量生産ができないため非常に高価です。

アスカネットは脂製によるASKA3Dプレートの量産化の研究を続けていて、ついに先週量産化の発表がありました。

現状の樹脂製プレートはガラス製に比べてサイズが小さく(20cm角)、画質も若干劣る(個人的には遜色ないと思います)ものの非常に安価に大量生産が可能になります。

元々は「高価だが高画質」のASKA3Dプレートと、「安価だが低画質」のAIRRの住み分けになるかと思っていましたが、日本カーバイドを含めてAIRRを利用した空中ディスプレイの採用例は聞かれません。
(日本カーバイドは2020年度に10億円の売上を目標にしているそうです。)

アスカネットが数々の展示会でユーザー側の画質に対するハードルを大きく上げてしまったのかもしれません。
(それゆえ樹脂製プレートに対する画質向上の要望も高かったのだと思いますが。)

今後はサイネージ、広告、演出用途は、「高価・大型・超高画質」のガラス製プレート、組込用途は「安価・小型・高画質」の樹脂製プレートの住み分けになるのではないかと考えています。

最後に少し前の例ですが、ASKA3Dプレート(ガラス製)と三菱電機(日本カーバイド使用)の人物の空中結像の例を見比べて判断していただければと思います。

(株)アスカネット【2438】 アスカネットも日本カーバイドも、どちらも再帰性反射(反射した光が光源に戻る)を利用した空中結像の方式です。 (操作を検出するセンサーを組み合わせて空中タッチパネルにしているわけですが、空中結像とは直接関係がないのでセンサーについては省略します。)  日本カーバイドの方式は、再帰性反射シートとハーフミラーを組み合わせた方式(AIRR)で、次のような流れです。 ・光源から発する拡散する光がハーフミラーを透過。(1/2のロス) ・透過した光が再帰性反射シートに反射して光源に戻っていく。 ・光源に戻る途中でハーフミラーに反射。(さらに1/2のロス) ・光源とは別の場所に焦点を結ぶ。(空中結像) ・空中の焦点から再び拡散する光を見る。(空中から発する光が見える)   ━━━━━━━再帰性反射シート(日本カーバイド)  \ ↑↓   \↑↓    \ →→→○空中結像    ↑\    ↑ \ハーフミラー    ↑     ●光源  再帰性反射シート(一般的にはマイクロビーズ)もハーフミラーも安価に入手可能で簡単に大型化できますが、この方式はハーフミラーのロスが多いのと再帰性反射シートの解像度不足と乱反射(ビーズの中央を通る光のみ再帰反射)のため「暗く不鮮明」な画質になります。  日本カーバイドは従来より高性能な再帰性反射シート(プリズム型超高輝度再帰性反射シート)の技術があるので、一般的なマイクロビーズを使用したAIRRよりは高性能な空中ディスプレイを実現できます。  アスカネットの方式は、プレート1枚で空中結像を可能とする方式で、次のような流れです。 ・光源から発する拡散する光がASKA3Dプレートに当たる(照らす)。 ・プレートの裏側(光源の面対称の位置)に焦点を結ぶ。(空中結像) ・空中の焦点から再び拡散する光を見る。(空中から発する光が見える)         ○空中結像       /      /     /  ━━━━━━━ASKA3Dプレート(アスカネット)     \      \       \        ●光源  ASKA3Dプレートは90°に交差する鏡の集合体で、左右&前後方向の光は再帰反射し、縦方向の光は通常の反射となるため、プレートの反対側に再帰反射する仕組みです。  ■上から見た図     左右    / \   / → \    ↑ ↓ 前後 ↑ ↓再帰反射    ↑ ↓(90°内の光はどの角度でも光源に戻る)    ●    光源   ■横から見た図   反射して反対側に抜ける    \     \│     /│    /   ●  光源  プレート1枚で空中結像を可能とするASKA3Dプレートは、効率が高く(明るく)鮮明な画像(解像度が高い)が得られますが、ガラス製プレートは加工が難しく大量生産ができないため非常に高価です。  アスカネットは脂製によるASKA3Dプレートの量産化の研究を続けていて、ついに先週量産化の発表がありました。  現状の樹脂製プレートはガラス製に比べてサイズが小さく(20cm角)、画質も若干劣る(個人的には遜色ないと思います)ものの非常に安価に大量生産が可能になります。  元々は「高価だが高画質」のASKA3Dプレートと、「安価だが低画質」のAIRRの住み分けになるかと思っていましたが、日本カーバイドを含めてAIRRを利用した空中ディスプレイの採用例は聞かれません。 (日本カーバイドは2020年度に10億円の売上を目標にしているそうです。)  アスカネットが数々の展示会でユーザー側の画質に対するハードルを大きく上げてしまったのかもしれません。 (それゆえ樹脂製プレートに対する画質向上の要望も高かったのだと思いますが。)  今後はサイネージ、広告、演出用途は、「高価・大型・超高画質」のガラス製プレート、組込用途は「安価・小型・高画質」の樹脂製プレートの住み分けになるのではないかと考えています。  最後に少し前の例ですが、ASKA3Dプレート(ガラス製)と三菱電機(日本カーバイド使用)の人物の空中結像の例を見比べて判断していただければと思います。