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エムスリー(株)【2413】の掲示板 2020/08/19〜2020/08/28

コロナ禍前のエムスリーの会社説明資料に掲載されていた調査によれば、
■製薬会社の営業コストは年間1兆6400億円
 ・MR関連:1兆5000億円(約91%)
 ・インターネット:400億円(約2%)
 ・その他:1000億円(約7%)
■医師の情報収集時間
 ・MRから:17%
 ・インターネットから:39%
 ・その他(学会や医学誌等):44%

インターネットからの情報収集の比率(39%)が大きい割に、製薬会社の営業コストがMR関連(91%)に偏重しすぎていることは明らかな状況でした。いかに製薬会社のインターネット利用を増やすのかが、エムスリーとしては、ずっと重要課題でした。
さて、そんな中、COVID-19の流行により、医師にアポを取って直接会いに行くMRの営業活動が大きく制限されることになりました。製薬会社はインターネットによる営業活動を強化せざるを得ない状況です。製薬会社から見れば、これまで変えられなかった旧態依然かつ費用対効果が低いMRの営業活動にメスを入れる、千載一遇のチャンスなのかもしれません。

仮に製薬会社が、MR関連の営業費用の1割をインターネットに振っただけでも、インターネットにかける年間営業コストは、400億円から1900億円(400億+1500億)と約5倍になるわけです。2割を充てれば8倍強ぐらいのお金が、インターネット関連の情報提供サービスに流れ込んでくることになります。まぁ、そんな単純な話ではないかもしれないけどw、エムスリーのような企業には強烈な追い風が吹いているということ。

加えて、メディカルプラットフォーム事業は、奇しくも2019年3月期に大規模な営業強化、先行投資を行ったところ。コロナ禍による業界の急激な構造変化の恩恵を十分に享受できる体制が出来上がっていると推察されます。

余談ですが、エムスリーはこの営業強化と先行投資の影響で一時的に成長が鈍化、分割とかヘッジファンドの仕掛け売りとかもあって2018年末に株価が4割超、1400円台まで大幅下落したのも、我慢してホールドした投資家にはいい思い出ですねww。

以上、中長期スタンスの一投資家の投資ストーリーでした。(オンライン診療とかも期待していないわけじゃないけど、まだまだ時間がかかるでしょうからね。)
今の株価が割高か割安かとかいった議論には興味ありませんので、悪しからず。

投資は自己責任でw。

  • >>920

    ちょっと追記。

    前回の投稿で、
    「仮に製薬会社が、MR関連の営業費用の1割をインターネットに振っただけでも、インターネットにかける年間営業コストは、400億円から1900億円(400億+1500億)と約5倍になるわけです。2割を充てれば8倍強ぐらいのお金が、インターネット関連の情報提供サービスに流れ込んでくることになります。」
    と書きましたが、1Q決算の会社説明資料には以下のような記載がありました。
    「製薬会社のDX構造変化が急速に進展中」
    「マーケティング支援の1Q受注は前年比2.5倍以上」
    この記述から、製薬会社がインターネットによる営業に軸足を移してきていることがわかります。1Qだけで受注がいきなり2.5倍ですから、まだまだ伸びそうですね。

    ところで、エムスリーもそして製薬会社や医師の大半も「MRは不要。『MR君』ですべて代替できる。」などとは考えているわけではありません。
    ただMRは、病院を回って医師に面会する旧来の営業スタイルだけではなく、インターネットを駆使して医師への情報提供もできるMR(エムスリーは"e武装化MR"と呼んでいます)に変わるべきだ、ということです。
    先日、アステラス製薬がMRからの情報提供を、エムスリーのリモートディテーリングサービス「my MR君」を使いインターネットで行えるようにしたのは、そうした流れのなかでの話です。
    エムスリーの基本的な考え方は、WebサービスのMR君、医療情報サイトのm3.com、そしてe武装化MRを組み合わせて、医師への最適な情報提供の環境を作るということ。製薬会社のDX構造変化で、インターネットを使いこなせないMRは厳しくなるし、結果的にMRの総人数は減らざるを得ない状況でしょうけどね。

    以下、おまけ。
    メディカルプラットフォーム事業の絶好調の影に隠れて、あまり注目されていないけど、海外事業も大きく伸びています。
    1Q決算の会社説明資料によれば、
    「新型コロナウイルス感染症拡大に伴いオンラインサービスに対する需要が拡大したことにより、アジア地域が大きく成長し、セグメント売上収益は8,242百万円(前年同期比18.8%増)、セグメント利益は1,960百万円(前年同期比52.9%増)となりました。」
    とのこと。
    日本のメディカルプラットフォーム事業で起きたことと同じような状況が、中国やアジア地域でも起きているようです。
    国によって製薬会社の営業方法は異なるのでしょうけど、医師の情報収集の手段としては、おそらく日本以上にインターネットに依存していると思われます。日本のようにMRが足繁く通って、医師に情報提供してくれるわけではなさそうですからw。

    エムスリーの海外事業は既に利益が出せている状況。海外展開も急拡大していきそうで楽しみなところです。