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(株)INPEX【1605】の掲示板 2015/08/20〜2016/01/04

株、戻り始めたオイル銘柄 原油相場に底入れの兆し
2015/10/14 13:07 日経速報ニュース 1652文字
 資源開発や石油元売りといった石油関連銘柄は、原油相場の回復をきっかけに株価が底入れしたように見えたが、根強い供給過剰感から原油が反落すると株価のトレンドが転換する可能性もある。原油相場に底入れの兆しがあるとすれば、関連銘柄の株価にも潮目の変化を感じることはできるのか。

 「7月中旬ごろから裁定取引の対象ではなくなった」。伊藤リサーチ・アンド・アドバイザリーの伊藤敏憲アナリストはニューヨーク原油先物について、為替市場で主軸となるユーロの対ドル相場との連動性を失っていると指摘する。ドル高に推移するとドル建ての原油相場には割高感が生じて売り要因になり、一定の相関関係があることに着目した取引がこれまであったが、最近は減った。ドル高に伴い原油が売られるといった重荷が外れ、最近の原油が反発基調になった要因になったという。
 世界50カ国に資源を供給するスイス資源大手グレンコアに経営不安説が浮上し、日経平均株価が一時1万7000円を下回った9月29日。中国の経済減速などで資源需要が落ち込むとの見方が高まり、資源開発最大手の国際石開帝石(1605)は1028円50銭の年初来安値を付け、石油元売り首位のJX(5020)は422円50銭と約8カ月ぶりの安値を付けた。その後は原油価格の反発とともに、関連株の株価は回復した。
 もっとも、今週の原油相場はなかなか戻りきれない。ニューヨーク原油先物は前週8日に1ドル=50ドル台を回復したが、週明け12日には失速。47ドルを一時割り込む下げをみせた。それでも下値は切り上げている。楽天証券経済研究所の吉田哲コモディティアナリストは「横ばい推移に変わった200日移動平均の1バレル=50ドルを保てば、テクニカル分析では底入れ感が高まる」と話す。米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)が6日公表した短期エネルギー見通しで指摘している通り、米原油生産の頭打ちなどから来年前半までは原油相場の強い基調が続くとして、「年末にかけて50ドル台に水準を切り上げる可能性が高い」と予想した。先行きについては「今年の高値水準の60ドルを超えれば来年は一段高しそうだが、そうでなければ現在の膠着推移が続きそうだ」(伊藤氏)との見方もある。

 住友商事グローバルリサーチの高井裕之社長は「グレンコアやディーゼル車の排ガス不正問題のあった独フォルクスワーゲン(VW)の影響で、株式市場では悪材料が出尽くしたのではないか」と話す。非鉄金属などの資源価格を押し下げたグレンコアの株価もすでに回復基調にあり、世界経済の減速で需要が低迷するとの観測から軟調が続いた商品市場全般も回復基調が続くと分析する。「原油先物は8月下旬に付けた37ドル台で底値だった」と見ている。東京市場の石油関連株については「原油相場が本格的に上昇すれば、資源開発や商社は追い風になるが、販売価格と原価の利ざやの方が重要な石油元売りにとって影響は限定的だ」(伊藤氏)との指摘もあり、業種によって影響が変わる可能性もある。

 原油相場を巡っては、さまざまな材料を元に思惑が交錯した。需給改善を見込んだEIA見通しやロシアによるシリアへの空爆をきっかけにした中東情勢の悪化が強材料視され、ニューヨーク原油先物は前週8日に1ドル=50ドル台を一時回復した。他方で、石油輸出国機構(OPEC)が12日に公表した月報では加盟国の9月原油生産が増えたと示し、国際エネルギー機関(IEA)が13日に発表した月間リポートでは、依然として供給過剰の状態が続くと想定していると指摘した。世界需要の多くを占める中国経済の先行きへの不安などから世界の株価は不安定な値動きが続いているが、「原油の需給バランスの回復基調は見えており、その回復がいつなのかが焦点」(高井氏)という。昨年から続いた原油相場の底入れ観測が強まれば、資源開発や石油元売り、商社といった関連株の追い風になりそうだ。〔日経QUICKニュース(NQN) 今田素直〕