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日経平均株価【998407】の掲示板 2018/03/14

繰り返される韓国大統領経験者の悲劇 政治報復に終わりはあるのか 李明博元大統領出頭 

 【ソウル=名村隆寛】韓国の李明博(イ・ミョンバク)元大統領が在任中の収賄などの疑惑で検察に出頭したことで、現行憲法下で全斗煥(チョン・ドゥファン)、盧泰愚(ノ・テウ)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)、朴槿恵(パク・クネ)の歴代大統領に続き、5人目の大統領経験者が刑事責任を追及される見通しとなった。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は「積弊清算」を昨年の政権発足当初から掲げ、保守政権の「不正追及」に力を注いできた。とくに李政権下の09年に、弁護士時代からの仲間であった盧武鉉氏が不正資金疑惑で検察に事情聴取された直後に自殺した経緯がある。文、李両氏は因縁の仲とされ、李氏の取り調べは不可避といわれていた。

 李氏は1月に側近2人が逮捕されたとき、「捜査が最初から私を標的としていることは明らか。政治報復だ」と文政権を批判。文氏は「沸き上がる怒りを禁じ得ない」と非難で返した。

 出頭の際、李氏は、元大統領への捜査が「歴史上、今回で最後になることを望む」と語った。存命中の大統領経験者は、李氏と文氏以外の全員が在任中の不正疑惑などで起訴され、うち2人が服役した。

李氏が検察の取り調べを受けたことで、将来的に同じ状況になる可能性があるのは、現職の文氏だけだ。「言いたいことは多いが、言葉を慎む」と語った李氏ではあるが「今回で最後に」との発言は、文氏に対する皮肉とも受け取れる。

 公判中の朴前大統領は昨年10月に法廷で「法治の名を借りた政治報復は私で最後になるよう望む」と訴え、以後、出廷を拒否し続けている。李氏も今回、同じような発言をしたが、逮捕、起訴は必至の情勢だ。

 文政権による過去清算は手を緩めることなく、まだ続きそうだ。大統領経験者がいずれも悲劇的な最後を迎えるという韓国の歴史が、今回も繰り返される可能性は十分にある。