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■人間の神経網を回路として再現
CESの基調講演でインテルは新しいAIチップ「ロイヒ」を発表した
 エヌビディア同様、インテルもAIに注力している。基調講演ではAIチップの新たな試みとして、人間の神経網をデジタル回路に再構成する「ニューロモーフィック(神経形態学的)技術」に基づく新しい半導体チップ「ロイヒ」チップを紹介した。ソフトウエアでニューロン回路を再現し、アルゴリズムを構築する深層学習などがソフトウエアベースとするなら、ロイヒはハードウエアに基づくAIアプローチといえるだろう。

 インテルはほかに、AI向けの半導体チップの開発も進めている。ソフトウエアベースのAIを高速化するという点では従来型で、エヌビディア対策といえる。17年10月に発表したニューラル・ネットワーク・プロセッサー「ネルバーナNNP」だ。18年にサンプル出荷する。しかし今回の基調講演でネルバーナNNPに関する発表はなかった。

■自動運転でも両社が激突
 エヌビディアがゲーム、AIに続く市場として狙っているのが自動運転用の車載半導体だ。CESの記者発表会では、17年10月に発表した「ドライブPXペガサス」を改めて紹介した。

 これは自動運転のレベル4を狙う「ロボットタクシー用AIコンピューター」などといわれる製品の一つ。自動運転はレベル1から5まで自動化の段階があるが、4は完全自動運転の一歩手前の段階である。その高い要求を満たすため、ドライブPXペガサスは高度な画像分析などが可能だ。

 また、同製品を使った自動運転タクシーの開発で、自動車シェアの大手ウーバーテクノロジーズとの提携を発表した。同社は既にスウェーデンのボルボ・カーや独ダイムラーなど自動車業界で320社におよぶ提携を展開している。加えて、独フォルクスワーゲンがエヌビディアの運転支援システムを採用するとの発表もあった。

 このように車載コンピューターで各社との提携を広げるエヌビディアに対し、インテルは17年に153億ドルで買収したモービルアイ社で対抗する。イスラエルに本社を置くモービルアイは、レベル4の自動運転車を開発している先端企業。買収を機に強みとするカメラセンサーだけでなく、地図技術や運転方針の選択などの分野にも事業を拡張している。