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胆力の掲示板

トランプ氏、ウクライナ支援容認 翻意のメンツと実利

2024/04/24 16:00  日経速報ニュース    1927文字  画像有  


 【ワシントン=坂口幸裕】米連邦議会はウクライナの支援再開を裏付ける緊急予算案を承認した。共和党のジョンソン下院議長が党内の反対論を押し切って採決する後ろ盾となったのはトランプ前大統領だ。慎重姿勢から翻意した背景に、支持層へのメンツと11月の大統領選をにらんだ実利があった。
 「誰もが同意しているように、(ロシアの侵略が続く)ウクライナの存続と強化は米国より欧州の方がはるかに重要であるべきだが、米国にとっても重要だ!」。トランプ氏は18日、自身のSNSに投稿した。

 野党・共和が多数派を握る下院がウクライナの武器供与などに充てる総額600億ドル(9兆円)の緊急予算案を公表した翌日だった。
 3月にハンガリーのオルバン首相と会談した際、11月の大統領選で返り咲きが決まれば「ウクライナとロシアの戦争に一銭も出さない」と発言したトランプ氏。方針転換にも映る決断をしたのはなぜか。
 一つはトランプ氏が主張した返済義務が生じる融資制度が反映されたことだ。2月10日にSNSに「これからの対外援助は無償でなく、融資にしない限りはいかなる国にも実施すべきでない」と投稿した。「返済義務や条件がないままこれ以上お金を与えてはならない」と訴えた。
 大統領選を控え、財政規律を重んじる共和支持層で高まる巨額支援継続への不満に配慮する意図があるのは明らかだ。メンツは保たれ、支援再開にかじを切る余地を与えた。