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葵の落書きスレッド
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 今週に入り中国・恒大集団の巨額デフォルト(債務不履行)懸念を巡り、香港株の大幅下落に端を発した世界的な株売りのリスクオフ相場になりました。恒大リスクがどのように進展するかも注目ですが、本日から明日にかけて重要イベントが相次ぐことで為替市場も大きな動きになる可能性があります。以下、時系列に本日と明日のリスク要因を記載します。

 22日
・10時20分前後・・・中秋節が終わり中国市場の再開。中国祝日の間に他国の株価が大きく動いたこともあり中国株の動きが注目されます。

・おそらく正午前後・・・日銀金融政策決定会合終了します。残念ながら日銀、及び日本に対する国際的な魅力が減少していることもあり、ここはほぼ無風で通過するでしょう。

・17時・・・8月南ア消費者物価指数(CPI)発表。後述しますが、翌日に南ア準備銀行(SARB)金融政策委員会(MPC)が行われることで、インフレ結果が気になるところです。市場は政策金利の変更等は予想していませんが、ここ最近はSARBの物価目標の中心値(4.5%)をCPI前年比は上回っており、結果は注目されています。

 23日
・3時(米国22日)・・・米連邦公開市場委員会(FOMC)が政策金利を発表するだけではなく、四半期に一度の経済・金利見通し(いわゆるドットチャート)も発表されます。その30分後から始まるパウエルFRB議長の会見終了まで神経質な動きになりそうです。テーパリングについてどのような見解を示すかなどが注目です。
おそらくアルゴをすでに組んでいる投資家もいると思われますので、発言の語句に反応し、急に動きが激しくなる可能性も高そうです。

 ドル円を中心に取引している一部の市場関係者は、ここで一息つけるとしている人もいますが、この後も大きなイベントが続きます。

・10時半頃・・・前日は中国が戻ったものの、中秋節の翌日で休場だった香港の株式市場が再開。前日の中国株や中国政府の動き次第で、香港株のボラティリティも拡大するかもしれません。

 更に、23日は中国恒大集団のドル建てでは8350万ドルの社債2本の利払い日となっていることにも要警戒となります。また、額面はドルより大幅に少ないですが、人民元建ての利払いも日本円で39億円近いものの期日になっています。

・16時半・・・スイス国立銀行(中央銀行)、政策金利発表
・17時・・・ノルウェー中銀、政策金利発表
おそらく両中銀の金融政策に対する市場の反応は限られると思われます。

・20時・・・英中銀MPC終了後政策金利及び議事要旨発表されます。政策金利は据え置きが予想されていますが、一部では「債券買い入れ目標の縮小を主張する声が増えるのではないか」との予想もあります。雇用も回復し、物価データも強まっていることで、声明文の内容がタカ派よりになるかが注目されています。ポンドが大きく動くことが予想されます。

・20時・・・トルコ中銀が政策金利発表します。カブジュオール・トルコ中銀総裁が先日、政策決定においてコア・インフレ率を重視するとの見解を示したことで、早期利下げを警戒する声が出ています。多くの予想は据え置きとなってはいますが、何が起こるのかが分からないのがトルコ中銀ですので警戒は怠らないようにしておきたいです。

・22時過ぎ・・・通常はこの時間に南ア準備銀行(SARB)が政策金利を発表します。上述のCPI次第で発言内容が変わるでしょうが、月初にクガニャゴSARB総裁は、「インフレ目標レンジを現行の3−6%ではなく、3−4%程度かつプラスマイナス1%の誤差を認めることが有益」と発言しています。これは、南ア政府のインフレ目標の高さで同国が高インフレ国から抜け出せず、政府に対し、インフレ抑制を促すため目標を下げるべきだとの考えを示したものです。中銀がこの件に関して声明に織り込むのかは定かではありませんが、もし目標の変更等があった場合はランドが動意づくでしょう。

 これ以外にも経済指標では、欧米の各種購買担当者景気指数(PMI)速報値、独Ifo企業景況感指数等の重要経済指標も発表予定となっています。

 この2日間はFOMCだけでなく上述のような重要イベントが多数予定されていますので、為替市場も大きく変動することが予想されます。