ここから本文です

>>110

■当社は現在、中国市場については、今後もインフラ整備の投資拡大により持続的な成長が見込まれる、としている。その理由は、当社の顧客である中国の現地の大手建機メーカーのトップが中国共産党と繋がりが深く、その情報をもとにした見通しだからである。現在、当社の建機部門の売上に占める中国現地メーカー向けの売上比率は1.7%程度に過ぎないが、一年前に比べると売上金額は倍増している。当社としては、中国現地メーカーへの売上拡大を図ることで、長期的な建機部門の成長を持続させる計画である。■中国建機市場において、2015年に5.6万台にまで落ち込んだ油圧ショベルの販売は、2016年に7万台へと回復し、2017年には15万台へと倍増、2018年は20万台を超えそうだ。さすがに、2019年は更に伸びるとは考えにくいが2018年並みの20万台程度は可能と予想されている。この背景には、2008年の世界同時不況の際に中国政府が大規模な景気刺激策を打ち出した頃に売れた17~18万台の新車の建機の代替え需要が始まっていることや、来年は排ガス規制において、いよいよTier4規制が始まると予想されているからである。

■この1年、中国経済成長率鈍化の懸念や米中貿易摩擦の深刻化などを含めて様々な懸念材料から、中国株式市場は下落した。しかしながら、HSBCグローバルアセットによれば、これらの懸念材料の多くは現実のものとはならず、株式市場の下落は過剰反応であったと結論付けている。下の図表は、中国企業の業種別の増益率である。米中貿易摩擦などマクロ経済の見通しに対する懸念から、今年の下半期に入って下方修正されてきたのだが、株式市場が追加的な財政刺激策と金融緩和策を期待する中で、中国政府は引き続き景気の冷え込みの回避に全力を挙げる可能性が高いとレポートしている。したがって、下表から明らかなように、来年にかけて一般消費財、エネルギー、素材などの業種は増益率が急降下するものの、資本財、ヘルスケア、不動産、公益事業、電気通信サービスなどは好調な増益が続く見通しである。

  • >>111

    新製品開発の進捗状況

    ■当社は昨年11月20日、新素材合成高分子系ナノファイバーの量産技術の確立に成功したことを公表した。天然高分子ナノファイバーが製品化するのに時間がかかるのに対して、今回当社が開発した合成高分子系ナノファイバーは製造するうえで非常に扱いやすく、当社の主力製品であるオイルフィルタの製品化のみならず、この素材の特性を生かして様々な市場への参入が可能になると期待されている。■当社の主力製品である建機用のフィルタでは、従来からガラス繊維を使ったものが主流になっているが、次世代の製品としてナノファイバーを使ったハイブリッドタイプのフィルタを開発した。これを、日系大手建機メーカーに2019年1月から量産供給することが決まった。従来のガラス繊維を使ったフィルタはライフが1000時間で一年に一回交換するイメージだが、ハイブリッドタイプはライフが3倍、すなわち3000時間で交換になる。これによって、ゴミが減り環境にやさしいだけでなく、建機メーカーのコストダウンにつながる。将来的には、このフィルタのサイズを小さくすることも可能で、建機メーカーのフルモデルチェンジの時に有利になるだけでなく、建機メーカーのコストダウンにもつながるという効果が得られる。つまり交換需要が長くなるということで、当社のフィルタの付加価値を訴求していくことになるが、紙からガラス繊維に替わった時のように、ナノファイバーを使ったハイブリッドフィルタが次世代のスタンダードフィルタになると考えられる。置き換えの需要については、5年程度ですべての台数を置き換えていくことを目論んでいる。
    ■一方、当社から建機メーカーへの納入価格については、ライフが3倍になるので、当社としては価格も3倍にしてほしいのだが、現実的には2倍~2.2倍程度の販売価格で決まっているようである。したがって、従来の台数だけでは売上高は減ってしまうが、当社のリターンフィルタは中国以外のグローバルシェアが約7割と高いが、中国市場ではほとんどは入れていない状況があり、中国の現地の建機メーカーと商談を進めているところである。すなわち、純正率を上げる、台数を上げることによって単価の減少分を吸収していく計画である。