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>>111

新製品開発の進捗状況

■当社は昨年11月20日、新素材合成高分子系ナノファイバーの量産技術の確立に成功したことを公表した。天然高分子ナノファイバーが製品化するのに時間がかかるのに対して、今回当社が開発した合成高分子系ナノファイバーは製造するうえで非常に扱いやすく、当社の主力製品であるオイルフィルタの製品化のみならず、この素材の特性を生かして様々な市場への参入が可能になると期待されている。■当社の主力製品である建機用のフィルタでは、従来からガラス繊維を使ったものが主流になっているが、次世代の製品としてナノファイバーを使ったハイブリッドタイプのフィルタを開発した。これを、日系大手建機メーカーに2019年1月から量産供給することが決まった。従来のガラス繊維を使ったフィルタはライフが1000時間で一年に一回交換するイメージだが、ハイブリッドタイプはライフが3倍、すなわち3000時間で交換になる。これによって、ゴミが減り環境にやさしいだけでなく、建機メーカーのコストダウンにつながる。将来的には、このフィルタのサイズを小さくすることも可能で、建機メーカーのフルモデルチェンジの時に有利になるだけでなく、建機メーカーのコストダウンにもつながるという効果が得られる。つまり交換需要が長くなるということで、当社のフィルタの付加価値を訴求していくことになるが、紙からガラス繊維に替わった時のように、ナノファイバーを使ったハイブリッドフィルタが次世代のスタンダードフィルタになると考えられる。置き換えの需要については、5年程度ですべての台数を置き換えていくことを目論んでいる。
■一方、当社から建機メーカーへの納入価格については、ライフが3倍になるので、当社としては価格も3倍にしてほしいのだが、現実的には2倍~2.2倍程度の販売価格で決まっているようである。したがって、従来の台数だけでは売上高は減ってしまうが、当社のリターンフィルタは中国以外のグローバルシェアが約7割と高いが、中国市場ではほとんどは入れていない状況があり、中国の現地の建機メーカーと商談を進めているところである。すなわち、純正率を上げる、台数を上げることによって単価の減少分を吸収していく計画である。

  • >>112

    ■新分野としては、エアフィルタに力を入れている。まず、ビルの空調用のフィルタは建機と同様ガラス繊維の素材が使われているが、その代替品として当社のナノファイバーが使えるということで、大手の空調メーカーと商談を進めている。この大手空調メーカーの要求する仕様はほぼクリアしている状況で、現在量産化に向けて動いている。■次に、農業用資材については、ビニールハウスの中に入れて、夜の温度低下を防ぎ、暖房のための燃料費の削減につなげることを売りにしている。すでに量産の体制は整っており、継続してJAや大手の商社などに売り込んでいく計画である。■自動車向けについては、吸音、防音の効果があるため、大手の自動車メーカーや化学メーカーに売り込んでいく。現状、自動車の吸音、防音のシートは大手の化学メーカーが供給しているものが主流になっているようだが、当社のナノファイバーを使ったシートがこの大手化学メーカーの供給しているシートよりも吸音、防音効果が高いという実験結果もあるため、この大手の化学メーカーへの供給ということも視野に入れながら、話を進めている模様である。

    株価評価(バリュエーション、需給など)

    ■株価は、今年1月12日に高値1,579円を付けた後、右肩下がりの傾向となり、10月、12月には株式市場全体の下落に大きく影響を受けた。12月25日には、当社株の今年の安値566円を付け、高値からの下落率は60%を上回った。キャタピラーをはじめ、コマツ、日立建機といった大手の建機メーカーを主要顧客とする当社は、循環株として業績のピークが近いと見られたことや中国関連として米中貿易摩擦の影響を大きく受けるとの投資家の懸念から、この一年は大手建機メーカー株とほぼ同様の株価動向となった。