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エヌビディア決算:識者はこうみる
2024年5月23日午前 10:36 GMT+99時間前更新

[東京 23日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア<NVDA.O>が22日発表した第2・四半期(5─7月)の売上高見通しは市場予想を上回り、人工知能(AI)向け半導体の需要拡大を見込む投資家の期待に応える結果となった。市場関係者の見方は以下の通り。

●反応鈍い日本株、絶好の売り場にも
<マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木隆氏>
決算内容自体は非常に良いが、全体相場への影響は別だろう。時間外取引でのエヌビディア株は上昇しているものの、東京株式市場では東京エレクトロンアドバンテストなどの主力の半導体関連株に上昇一服感がみられる。この株高に持続性があるかどうか、米国市場の立会時間での反応を確認したいところだ。
生成AI(人工知能)、半導体ビジネスは今後も好調であることは間違いないが、市場ではかなり織り込みが進み、株価は割高となっていた。今回のエヌビディア決算を受けて国内の半導体関連株がこれからも買われるかどうかは、全く別の話と考えておいた方がいいだろう。
前回の同社決算は日経平均が史上初の4万円を更新する原動力となったが、その時と今では状況が異なる。当時の日本株は生成AIや東証改革への期待、チャイナマネーの流入などが相まって、上げ潮の状態にあった。足元の日本株は下向きのため、エヌビディアの好決算に反応しきれずにいる。きょうの日本株の上昇が一時的なものにしか過ぎないのであれば、これは絶好の売り場と捉えることもできる。

●百点満点、新製品の需要が今後の焦点
<楽天証券経済研究所 チーフアナリスト 今中能夫氏>
決算は市場の予想を大幅に上回る100点満点の内容だった。アナリスト会見ではデータセンター向け需要が相変わらず大きいことが示された。既存顧客のクラウドサービス会社向け需要が旺盛で、需要構造に変化がないのはいいサインだ。
年後半から来年にかけてDRAMをはじめとするメモリー半導体への投資も活発化するとされているため、東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコなどの国内半導体装置メーカーも恩恵を受けるとみている。
ネガティブ要素を敢えて挙げるなら、研究開発費を大幅に積み増したことで、粗利益率見通しが低下したことだろう。同社の次世代GPU「ブラックウェル」の製造工程は複雑で、受託生産を行う台湾積体電路製造(TSMC)へのコストがかさむとされている。
今後の注目点は、ブラックウェルの供給状況だ。8─10月頃には需要がはっきりみえてくるだろう。TSMCが生産能力を拡張できるかも注目される。

●一段高に期待、国内半導体株にも波及か
<T&Dアセットマネジメント チーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー  浪岡宏氏>
エヌビディアの決算内容は非常に良かった。5―7月の売上高見通しが市場予想を上振れた点は当然ポジティブ。第1・四半期の調整後粗利益率が市場予測を超えてきた点も評価できる。かつ、現在のエヌビディアの株価は高すぎる状況ではないとみており、上値を追う余地は十分にあるだろう。
今後は日本の半導体関連株も上昇する可能性が高く、日経平均を押し上げるとみている。同社のサプライヤーである台湾積体電路製造(TSMC)の業績が上向くとみられ、国内では特に、東京エレクトロン の上昇が期待できるのではないか。

●来年まで優位継続、新製品前の買い控え影響は限定的
<オムディア シニアディレクター 南川明氏>
大方の予想を上回る内容だった。米ハイテク大手各社は生成AI(人工知能)による学習を進めているところで、活発なデータセンター投資が少なくとも来年あたりまで継続する。売り上げや営業利益の上昇は続くとみている。
競合チップが出てきており完全独占ではないが、ユーザー向け開発ツールがそろっているエヌビディアの優位性は、来年いっぱいは継続するだろう。新型チップの発売を前にした買い控えで秋口あたりに業績がスローダウンする可能性はあるものの、新製品が出ればそちらの売り上げが伸びる。
同社の半導体を受託生産する台湾積体電路製造(TSMC)による先端プロセス投資はもう一段、加速するとみられ、国内の装置メーカーにとって追い風になり得る。