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ダイキン「井上氏の30年」にM&A50件 1兆円で成長導く

ダイキン工業の会長を退任する井上礼之氏は1994年の社長就任以来、30年間にわたって経営の指揮をとり続けた。M&A(合併・買収)に累計約1兆円を投じて米国の大手空調メーカーなど50社超を傘下に収めた。積極的な海外展開でダイキンを世界一の空調メーカーに押し上げた。

22日、鳥取市で開いたグローバル経営会議に登壇した井上氏が約1時間のスピーチで何度も強調したのが「グローバル競争」だ。社長就任当時、ダイキンの主力市場は日本で、海外売上高比率は15%だった。主力製品は店舗など業務用の空調で、苦戦していた家庭用は証券アナリストから撤退を提言されたほどだ。

それでも井上氏は、大型の工場・ビル用も含めた「空調三本柱計画」を打ち出す。家庭用空調から生まれた先端技術を業務用に応用するなど、技術的なシナジーが生み出せると考えたためだ。三本柱があれば「空調の世界トップを目指せる」との確信もあった。

  • >>6854

    推し進めたのが海外でのM&Aだ。欧州などで販売代理店を相次いで買収し販売体制を整えると、2007年に大型空調大手の米マッケイ・インターナショナルを傘下に持つマレーシアのOYLインダストリーズを約2400億円で買収した。12年には米国市場を攻略するため米グッドマン・グローバルを約2900億円で買収した。

    大規模なM&Aで買収相手との交渉を主導してきたのが井上氏だった。M&Aに際しては、井上氏の経営哲学「人を基軸におく経営」を打ち出した。原則として買収後すぐにトップを交代させることはせず、人員整理も控える。「相手の経営陣の立場を考えてM&Aをする」ことにこだわってきた。

  • >>6854

    ダイキンの24年3月期の連結売上高は4兆3953億円と30年前の12倍、純利益は2603億円と289倍に増えた。M&Aは海外を中心に手掛けた結果、生産拠点も125カ所と約12倍となり、海外売上高比率は84%と約70ポイント伸びた。

    井上氏は短期成長に加え、長期成長も見据えた5カ年の中期経営計画「フュージョン」を策定してきた。長期成長に欠かせない研究開発費は年間1225億円と、30年前の6倍弱まで増やした。

    M&Aや設備投資も急増したが、財務は健全だ。有利子負債が自己資本の何倍かを示すDEレシオは0.36倍と、30年前の1.24倍から大幅に低下した。株価は2万3960円(22日終値)と約30倍になった。

    「最後には会長がすべて決めてくれるという安心感があった」。あるダイキンの幹部はこう語る。30年間で積み上げた実績があまりに大きかったためだ。別の幹部は「これを続けていけるのか皆が不安に思っている」とも打ち明ける。

    経営の求心力を保つためには次の目標も必要だ。井上氏は「空調で世界一になる」というスローガンを掲げ、10年に目標を達成した。社員にとっても分かりやすい目標を示し、リーダーシップを発揮することも新経営陣には求められる。