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財務官「競争力低下に危機感」 G7、中国過剰生産を議論へ

財務省の神田真人財務官が23日にイタリア・ストレーザで始まる主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議を前に日本経済新聞の取材に応じた。会議の主要テーマであるウクライナの復興財源は「侵略者が支払うべきだ」としてロシアの負担を訴えた。円安を巡っては日本経済の競争力低下に危機感を表明した。

バイデン米政権は中国製の電気自動車(EV)や半導体への制裁関税を引き上げる方針を打ち出し、中国側が反発している。神田氏は「地政学的要因による世界経済の分断リスクは問題だ」と言明した。会議では背景にある中国の過剰生産を巡り、議論が交わされるとの見通しを示した。

日本は多国間主義や、自由で開かれたルールに基づく貿易・投資の促進といった原則を尊重している。供給網(サプライチェーン)の多様化を進めるとともに「公平な競争条件の確保」が必要だとの考えも強調した。

今回の会議では凍結しているロシアの海外資産の運用収益をウクライナの復興支援に使う案も提起される可能性がある。神田氏は「国際法違反を起こしたロシアに責任を取らせなければならない。今後の侵略に対する抑止力にもなり得る」と語った。手法については、国際法に依拠することが前提だとして「その観点から議論を続けている」と説明した。

足元で進む円安の背景には、日米金利差のほかに日本の国際競争力の低下も指摘される。「短期的な市場動向の要因ではないが、競争力低下には強い危機感がある」と力説した。「改革を通じて潜在成長力を上げなくてはならない」とも述べ、賃上げや設備投資などの前向きな動きを加速させる必要があると訴えた。

  • >>6797

    労働生産性の向上や成長分野への民間投資促進には「労働市場の流動化や市場機能をゆがめるモラルハザードの縮減、企業統治改革などを強化する必要がある」と話した。

    市場では政府と日銀が4月29日と5月2日に円買い・ドル売りの為替介入を実施したとの観測がある。介入の有無に関しては「一切コメントしない」と言及を避けた。

    「グローバルサウス」と呼ばれる新興・途上国との連携にも触れた。20カ国・地域(G20)の2024年の議長国であるブラジルは富裕層への課税強化を主張する。

    神田氏は「格差の拡大は深刻であり、ポピュリズムの伸長や社会の不安定化につながるため是正すべきだ」と指摘した。「実効性の確保には国際的な議論が欠かせない」として、資産の把握を課題にあげた。

    スリランカの債務問題では、日本が共同議長として債権国会合を立ち上げ、23年11月に基本合意に至った。神田氏は債務再編に向けて「いま詳細を規定する覚書(MOU)の署名への最終段階にあり、調整を進めている」と明かした。

  • >>6797

    神田氏との主な一問一答

    ――バイデン米政権は中国製の電気自動車(EV)や半導体への制裁関税を引き上げる方針を示し、中国側は反発している。世界経済や貿易の分断リスクをどうみるか。

    「地政学的要因による世界経済の分断リスクは問題であり、今週の会議でも議論されるだろう。日本は多国間主義の尊重や自由で開かれたルールに基づく貿易・投資の促進といった原則とともに、サプライチェーンの多様化などを通じた強靱(きょうじん)化を訴える。中国の過剰生産問題も提起されるだろう。公平な競争条件の確保が重要だ」

    ――凍結したロシアの海外資産の運用収益をウクライナ支援に使う案が浮上する。

    「国際法違反を起こしたロシアに責任を取らせなければならない。納税者に負担をお願いする前に、侵略者に払わせるべきだし、今後の侵略に対する抑止力にもなり得ると考え、昨年、G7議長国として日本が議論をリードした。やり方は国際法に依拠したものでなければならないなど様々な検討すべき課題もある。その観点からG7で議論を続ける」

  • >>6797

    ――足元で円安が進んでいる。日米金利差のほかに、日本の国際競争力の低下も響いているのではないか。

    「短期的な市場動向の要因ではないが、日本経済の国際競争力低下には強い危機感がある。改革を通じて潜在成長力をあげなくてはならない。足元では賃上げや設備投資など前向きな動きがある。これを加速したい」

    「労働生産性の向上、成長分野への民間投資促進のため労働市場の流動化、セーフティーネットの拡充、市場機能をゆがめるモラルハザードの縮減、企業統治改革などを強化する必要がある」

    ――3月から財務省として国際収支に関する有識者会議を開催している。

    「国際収支のレンズを通して日本経済の脆弱性と可能性を特定し、処方箋を示唆するのが狙いだ。改革の必要性のエビデンスの一つになり、気づきとなることを期待している」

    ――4月29日と5月2日に円買い・ドル売りの為替介入を実施したとの観測がある。

    「一切コメントしない」

  • >>6797

    ――20カ国・地域(G20)の2024年の議長国であるブラジルのルラ大統領は富裕層への課税強化や国際開発金融機関(MDB)のさらなる改革強化を唱えている。

    「(新興・途上国を指す)グローバルサウスがこれらを強く主張している。格差の拡大は深刻であり、ポピュリズムの伸長や社会の不安定化につながるので是正すべきだ。所得税の累進性や資産税の強化が手段とされるが、日本も対応に努めている。ただ、資産の把握や捕捉が課題だ。実効性の確保には国際的な議論が欠かせない」

    「ブラジルはMDBが気候変動や感染症など地球規模の問題への対応を強化すべきだと主張している。私も問題意識を共有しており、先進国や新興国といった枠組みではなく、世界経済の基本的な価値観やルールを守り、効果的な解決策を生み出すことが必要だ。日本は23年のG7議長国として、MDBの既存資本の最大限の活用などの成果をあげた。国際協調の議論を主導したい」

  • >>6797

    ――低・中所得国の債務問題をどう進展させるか。中国にインフラなどの権益をわたす「債務のわな」に陥るリスクも指摘されて久しい。

    「中国が保有する債権はパリクラブ(先進国で構成する主要債権国会議)が持つ債権の総額を上回る。債務の再編には中国の参加が欠かせない。低所得国向けのG20の『共通枠組み』の進捗の速さは十分ではない。時期とプロセスを明確にして予見可能性を高める作業を主導する。中国などG20各国に債務データの共有を求めることにも取り組んでいる」

    「中所得国のスリランカについては、日本が共同議長として債権国会合を立ち上げ、23年11月に基本合意に至った。いま詳細を規定する覚書(MOU)の署名に向けた最終段階にあり、調整を進めている」

    ――4月の米ワシントンでの共同声明では巨大IT(情報技術)企業が対象となる「デジタル課税」の6月末までの署名の実現に取り組むと明記した。

    「6月の署名を実現させるために全力を尽くしている。これを見送れば、モメンタム(勢い)が失われる。デジタル化に対応した国際課税の100年に1度の大改革の最後のチャンスだ。強い政治的コミットメントを維持させる」