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prismhit~~~明日から令和ですね。
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賃上げ、インフレの起点に 業績向上のドア開く

「営業活動の最後は人と人との会話で決まる。多少無理をしてでも、企業の発展には賃上げを進めていくべきだと思う」

ドアハンドル製造・販売のユニオン(大阪市)は今年、5%賃上げした。来年もベースアップと定期昇給で合計2〜3%、業績が良ければそれ以上の賃金アップを社内外で表明する。

複数年の賃上げを進める立野純三社長は「働く人にも喜んでもらい、育っていってほしい」と話す。価格転嫁も進めており、今年は平均5%値上げした。

  • >>6728

    「2%インフレと3%のベアを10年続ける必要がある」

    機械・金属分野の中小メーカーの労働組合を中心に構成するJAMの安河内賢弘会長は、給料が上がり続ける社会の構築を訴える。

    兆しは広がる。ゼンショーホールディングスはベアを2030年まで実施し、TOPPANホールディングス(旧凸版印刷)は業績が伸びれば27年まで継続的に賃上げする。

    人件費が起点のインフレの芽も出てきた。帝国データバンクが食品メーカーに値上げの理由を聞くと、人件費と答えた割合は24年1〜10月で28.2%だった。原材料高に比べて水準は低いが、前の年(8.8%)と比べれば3倍に伸びた。

    日銀も賃金と物価の連関に注目する。展望リポートの分析によると、足元では、賃金上昇でサービス物価が上がる傾向がみられた。この傾向は2010年代前半にはなかった。

    法人企業統計によると30年間で付加価値額は41%増えたが、人件費は18%増にとどまる。

    「付加価値をどのように分配することが適切なのか、検討が望まれる」。今年の経団連の経営労働政策特別委員会(経労委)報告では、稼いだお金の配分に疑問を呈する異例の文言を盛り込んだ。

  • >>6728

    もっとも、賃金とインフレの単純連動だけでは生活水準は向上しない。経済協力開発機構(OECD)によると日本の潜在成長率はゼロ%台半ばと主要先進7カ国で一番低い。

    成長の鍵は2つある。一つは柔軟な労働市場だ。一橋大学の宮本弘曉教授は「成長産業へ働く人が円滑に移る必要がある」と強調する。事実、各国のデータでは労働市場が流動的な国ほど生産性が高く、賃金も上がりやすいという。

    年収が増える転職は増えるが、欧米よりは少ない。リクルートなどの調査では、23年に転職した人で年収が1割以上増えた人は日本は23.9%と、調査した11カ国で最も低い。

    もう一つの鍵は制度の壁を打ち崩すことだ。

    「時給が上がり今まで以上に働く時間を調整しなければならなくなった」

    東京都内で接客販売のパートに従事する40代の女性は、夫の社会保険の扶養範囲内で働くため「130万円の壁」を意識する。昨年、時給が約200円上がったため、週に2時間、働く時間を減らした。

    政府は助成金による壁解消を打ち出したが、専業主婦を優遇する年金制度の見直しも必要だ。

    制約から解き放たれ、経験や能力を生かせる場で一人ひとりが活躍できれば、経済成長を伴いながら賃金と物価はより強く、前向きな循環を描いていける。