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自信なくしたパウエル氏の発言、介入当局に最大級の試練

​本日ニューヨーク市場の午後に米国の金融政策決定会合である米連邦公開市場委員会(FOMC)が2日間の討議を終え、声明文発表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見がある。パウエル氏の発言次第では円相場は1ドル=160円再突破も視野に入るので、日本の介入当局は今晩は徹夜の臨戦態勢で、必要とあらば直ちに対応することになろう。

なにゆえ、パウエル氏の発言がそこまで円安を加速させる可能性があるのか。話は前回の3月のFOMCに遡る。そこでは、声明文に「FOMCは、インフレが持続的に2%ターゲットに向かうことに、より強い自信を持つことができなければ、利下げ実行は適切ではない」と書き込まれた。予想利下げ回数の中心値も3回と明示された。

  • >>6476

    ところがその後の4月16日に、パウエル氏は「最近の経済データにより、明らかに(インフレ目標達成の)自信が持てなくなり、その自信を得るまでに、いまだ時間がかかる」と、あっさり見解を変えたのだ。

    年初は年7回の利下げを3月から始めるとの予測を織り込んでいた市場にとっては「爆弾発言」であり、今や利下げ予測の主流は12月に1回、「利上げ再開」の予測の可能性さえ20%を超す。

    では、前回と今回の間になにが起こったのか。それは、3カ月連続となる米インフレ指標の上振れだ。1回なら、季節調整による統計上のノイズで済ませることが出来た。2回続くと、市場は疑心暗鬼になった。それが3回も続くと、もはや市場はインフレが想像以上に粘着質であることを認めざるを得ない。

    そこで今回のパウエル議長記者会見での質問は、この点に集中して、同氏が、どのような英語の形容詞・副詞等を駆使して語るかが、市場に大きな影響を与えることになる。「利上げの可能性もあるか」と聞かれ、万が一にも「議論のテーブルにないとはいえない」などと述べれば、円相場は即160円再突破という動きとなろう。

  • >>6476

    それは極論としても「インフレ退治の道のりは凸凹と語ってきたが、その凸凹はより激しくなる可能性がある」とでも語れば、日米金利差はおおむね変わらず、市場は12月に1回だけの利下げをメインシナリオとして受け入れざるを得ず、円安トレンドが長期化することを覚悟せねばなるまい。日本側の介入当局も、FRB由来の円安になると、世界のマネーの流れに日本だけが逆行することになり、介入効果も、円安の速度を多少なりとも遅らせる程度となろう。

    実は30日のNY市場で、FOMCのリハーサルともいえそうな「前座」クラスの出来事があった。FRBが賃金インフレを測るうえで重要視している雇用コスト指数が上振れ、1〜3月期は前四半期比1.2%、前年同期比では4.2%上昇したのだ。円相場は157円前後から、157円50銭程度まで円安に振れた。

    FOMCを通過しても、今後、米重要経済指標発表のたびに、介入当局は投機筋を封じ込まねばならない。いわゆる、もぐらたたきとなるリスクがあるのだ。

    円安をめぐる攻防が長期化する可能性も考慮しておくべきであろう。