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prismhit~~~明日から令和ですね。
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>>6125

寒流と暖流が交わる大和堆は好漁場として名高い。その辺りでは、乱獲のほか、日本のイカ釣り漁船は外国漁船との衝突やトラブルといった課題も生じた。水産庁が発表する外国漁船退去警告延べ隻数は19年に北朝鮮が4007隻、中国が1115隻にのぼった。

大和堆では20年以降、外国漁船による漁獲は落ち着いている。23年に確認された外国漁船は北朝鮮は24隻、中国は44隻と減少傾向だ。新型コロナウイルス禍に伴う外国船の出漁の減少が大きいとみられる。

聖学院大学の宮本悟教授(北朝鮮研究)は、とりわけ北朝鮮を巡っては、朝鮮中央通信が20年初めごろに海水からコロナに感染すると伝え、感染を恐れて出漁が減ったと考えられると指摘する。

外国船の乱獲が減っても、20〜23年も漁獲は減少した。そこで想定される2つめの理由が「海中での資源環境の変化」だ。山陰から東シナ海北部に形成されるスルメイカの産卵場の環境悪化の可能性が考えられるという。水産研は「なんらかの影響で子どもが生き残れず、再生産できていない」と指摘する。

漁獲が回復しない限り、高値は続く。都内の鮮魚店では23年、スルメイカを1匹500〜1000円で販売していた。スルメイカの買い付けを15年続けてきた同店担当者によると、かつては1匹100円の時代もあった。「値段が高くなっても売れ行きは堅調」と話す。

原材料の価格高騰は加工食品にも影響を及ぼす。スルメイカの塩からやさきイカなどの加工会社が加盟している函館特産食品工業協同組合では、原材料の仕入れ値が過去10年で約6倍に跳ね上がった。コスト削減のため、材料の多くは中国からの輸入に頼っているという。

商品の販売価格も2倍以上になったが、原材料コストの上昇が大きく、加工会社の多くは採算がとれない。イカから手を引き、他の魚種への転換を検討する動きもある。

東京海洋大学の岩田繁英助教(水産資源学)は「海中の正確な資源状態は把握できていない。漁業者は漁場や魚種を変えるなどの工夫が求められる」と指摘する。スルメイカの高値は水産資源に寄り添う難しさを改めて突きつけている。