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海外投資家「GPIFが日本株比率引き上げ」で思惑

224兆円を運用する世界最大級の年金基金、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が日本株の保有比率を引き上げるのではないか――。こんな思惑が一部の海外投資家の間で日本株買いの手がかりになっているようだ。

国内年金基金は一般的に四半期末や年度末に向け、株式など保有資産の比率を調整しているとされる。公的年金を運用するGPIFは、基本となる資産構成割合(ポートフォリオ)で国内株の比率を25%と設定している。大きく乖離(かいり)した分は調整する必要があるため、この1年あまりの歴史的な株高局面で年金基金は売り手に回ってきた。東京証券取引所の投資部門別売買動向によると、年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行の現物株の売越額は2023年通年で6兆円を超えた。海外投資家の買越額が3兆円強だったことを踏まえると、売越額の大きさが分かる。

ところが最近、マクロ経済の分析を前提に投資する「グローバル・マクロ」型のヘッジファンドやアジアの政府系ファンドなど一部の海外投資家の間で「GPIFや国内企業年金が日本株の保有比率を引き上げるのではないかとの観測が浮上している」(野村証券の須田吉貴クロスアセット・ストラテジスト)という。

GPIFは5年に1度、基本ポートフォリオを見直しており、25年度は新たなポートフォリオが適用される年にあたる。野村の須田氏は「今回はインフレ定着下で初めての見直しになるため、債券よりもインフレに強い株式の保有を増やすとの見方につながっている」と話す。さらに米系著名投資家が「今年はGPIFや国内企業年金、個人投資家が買い主体として日本株を押し上げる」との見立てを強めているという。

  • >>6103

    GPIFの現在の基本ポートフォリオは、国内株式と外国株式、国内債券、外国債券の4資産でそれぞれ25%ずつを目安にしている。国内と外国を合わせた株式比率は50%で、ここに11%の乖離許容幅を加えても海外の年金基金と比べ高いとは言えない。

    たとえば、運用額がGPIFと同じく200兆円規模とされるノルウェー政府年金基金は23年3月末時点で全体の7割を株式が占める。カナダ年金制度投資委員会(CPPIB)にいたっては、同時点で株式比率が85%だった。フィリップ証券の増沢丈彦株式部トレーディング・ヘッドは「海外投資家の目には、GPIFの株式比率に引き上げ余地があると映ったようだ」とみる。

    振り返れば、GPIFが日本株の保有比率を12%から現在の25%に引き上げたのは10年前の14年10月。当時は直前の14年夏ごろからGPIFによる株買い観測がしきりに聞かれた。野村の須田氏は「基本ポートフォリオを変更するなら、公表前に先取りした運用になる傾向がある」とも指摘する。海外投資家の期待通りに保有比率が引き上がらなければ、日本株売りにつながるだろう。ただ、当面は基本ポートフォリオの見直しを巡る思惑が日本株買いを後押しするかもしれない。