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米国やG7、イスラエル制止できず 紛争拡大の懸念

イスラエルが19日、最大の後ろ盾である米国の制止を振り切ってイランへの報復に踏み切った。17〜19日に外相会合を開いた主要7カ国(G7)もイスラエルに自制を求めたが、中東の緊張に歯止めをかけられなかった。

「エスカレーションのリスクについて慎重に、戦略的に考える必要がある」。バイデン米大統領はイランがイスラエルを攻撃した13日、同国のネタニヤフ首相と電話協議し、報復に反対する意向を伝えた。

米CNNテレビによると、イスラエルは18日、米政府に「数日中にイランに報復する」と伝えた。米政府高官は「我々はその対応を支持しなかった」といい、イラン攻撃を踏みとどまるよう改めて要求した。それでもイスラエルを抑えられなかった。

イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃した2023年10月7日以降、米政府は「中東危機を(イスラエルとハマスが交戦する)パレスチナ自治区ガザに封じ込めることに集中」(高官)し、衝突を他の中東地域に拡散させない点を最も重視してきた。

  • >>5998

    最近はイランがレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラ、イエメンの親イラン武装組織フーシなど代理勢力を使ってイスラエルやイラクとシリアの米軍を間接的に攻撃する事態が常態化する。それでもイランを直接巻き込むのを避けようと腐心してきた。

    誤算は1日のシリアのイラン大使館周辺への空爆だった。イラン指導部はイスラエルの攻撃だと断定し、保守強硬派を中心に報復を求める声が強まった。イランの最高指導者ハメネイ師は10日、イスラエルを「罰せられなければならない」と明言した。

    米国はイランの報復は避けられないとの判断に傾いた。被害に比例してイスラエルの反撃の規模も大きくなると想定し、英仏などとともにミサイル防衛態勢などを強化。イランが発射した無人機やミサイルの99%を迎撃することに成功した。

    「打ち負かす驚くべき能力を発揮したと伝えた」「イスラエルの防衛を脅かすことはできないという明確なメッセージを敵に送った」――。バイデン氏は被害を最小限に抑えたネタニヤフ氏を評価し、イランへの報復を思いとどまるよう説得したが、実らなかった。

    ガザ最南部ラファへの地上侵攻を巡っても、イスラエルは米国の主張を軽視しているフシがある。バイデン氏がガザで人道状況を改善しなければ軍事支援の見直しも辞さないと迫っても、ハマスの壊滅をめざすネタニヤフ氏は地上侵攻に強い意欲を示す。

    イスラエルのイラン攻撃について、CNNはイスラエルがイランの核施設を標的にせず、軍事レーダーを対象にした可能性があると報道した。イランは核施設を攻撃されればイスラエルの核施設に反撃すると警告していた。

  • >>5998

    最悪の事態を避けられたとはいえ、イスラエルは強気を貫く。イランを除くアラブ諸国とイスラエルの関係正常化による中東安定化をめざす米国がハマス壊滅をめざすイスラエルへの支援をやめられない事情を見透かしている面がある。

    米国は対イスラエルに年間数十億ドルの軍事援助をしている。米下院は20日にもウクライナ支援の600億ドル(約9兆2000億円)とともに、対イスラエルに260億ドルの支援を実施する緊急予算案の採決に踏み切る構えだ。

    ロシアは5月下旬にもウクライナへの大規模攻勢に打って出るおそれがある。ウクライナだけでなく、中東紛争の負担も増せば米国が重視する中国への抑止力強化に力を注げなくなる。バイデン氏は正念場に立たされている。

    一方、イラン産の原油を輸入するなど同国と友好関係にある中国も緊張緩和を主導できていない。中国外務省の林剣副報道局長は19日の記者会見で「緊迫した情勢を招くいかなる行為にも反対する」と述べた。「中東情勢の緩和に向けて建設的な役割を果たし続ける」と語った。