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>>5636

カオの逮捕は、男性のDNAの全国的なデータベースの構築を求める国営メディアを後押しした。河南省の警察は、2014年から16年の間に同省の男性人口の約10%に当たる530万人からサンプルを収集し、それが可能なことを示した。17年の11月、警察を管轄する公安部(公安省)は全国的なデータベースづくりの計画を明らかにしたのだった。

国営メディアによると、中国はすでに世界最大の遺伝物質の蓄積庫を持っており、その分析データは合計8千万を数える。しかし、以前のDNA収集の取り組みは、多くの場合、より焦点を絞ったものだった。当局は、犯罪容疑者や特定の地区の移住労働者のような不安定化する可能性があるとみられる集団を対象にしていた。警察は、共産党の支配を強化する手段の一つとしてウイグル族など少数民族のDNAも集めてきた。

全国的な男性のデータベースづくりの取り組みは、従来のそうした取り組みを拡大するものであるとエミール・ダークスは言っている。先述したASPIの報告論文の筆者で、トロント大学(カナダ)政治学研究科の博士論文提出志願者である。「かつて見たことがないと思われるほどの積極的な方法で、こうした取り組みが中国の他の地域に広がっているのだ」とダークス。

ASPIが出した報告論文の推定だと、中国当局は同国の全男性のざっと5%から10%に相当する3500万人から7千万人の成人男性と少年のDNAサンプル収集を目指している。男性全員のサンプルを集める必要はない。ある個人のDNAのサンプルがあれば、その人の男性親族の遺伝子情報がわかるからだ。
ニューヨーク・タイムズが公安省にファクスでデータベースに関する質問をしようとしたら、同省の職員の一人は「上級幹部の許可なしには」そうした質問を受け付けられないと言ってきた。