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📰東証、市場区分見直しへ
巨大化する1部上場、焦点
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2018/11/3 2:00 朝刊 [有料会員限定]
日本取引所グループ（JPX）傘下の東京証券取引所は上場市場のあり方を検討する。有識者の懇談会を設けて、東証第1部、第2部、マザーズ、ジャスダックと一般投資家向けの4つの市場の再編などを議論する。東証と大阪証券取引所（現・大阪取引所）の現物市場の統合から5年がたち、課題となっていた市場区分の整理に踏み込む。2100社を超える東証1部の位置づけや、新興市場の再編が2大テーマとなる。
「一度論点を整理し、将来あるべき市場構造を見いだしていきたい」。10月29日、日本取引所の清田瞭最高経営責任者（CEO）が定例会見で語った。学識者や弁護士など6人で構成する「市場構造の在り方等に関する懇談会」を設置すると表明。初会合や結論の時期は未定だが、「あまり時間をかけるものではない」（清田CEO）と議論を急ぎたい考えだ。

最大の焦点になりそうなのが巨大化する東証1部をどう見直すかだ。

「1部上場の大手企業だから安心」――。インターネットの求人サイトをのぞくと、こんな文言が躍る。1部上場は社会的な信頼の象徴とされ、企業のブランド力や新卒採用に有利に働く。だが年を重ねるごとに「1部上場=超優良企業」という構図は薄らぎつつある。

日本取引所の懸念は、1部企業が「無限に増えることも起こりうる」（清田CEO）ということにある。東証1部にはすでに2100社超と、2部（500社超）の4倍の企業が上場している。2部から1部に「昇格」するケースもこの数年、毎年50社弱に達している。

これに対し、2部に「降格」するケースは2016年のシャープ（17年に1部復帰）、17年の東芝などこの5年でわずか3社。東証1部の企業数は、2部やジャスダック、マザーズの3市場の合計（約1500社）も大きく上回っている。
実は、2部企業が1部に「昇格」するのはそれほど難しくない。市場に流通する株式の比率（35%以上）や、時価総額の基準（40億円以上）をみたせばいいだけだ。上場企業は各社とも企業規模の拡大や株高で時価総額が増え、1部上場のハードルは昔に比べて格段に低くなった。