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くるみぱん2
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くるみぱん2の掲示板

>>182

フェイクフード

先日、一見エコに見える培養肉がいかに環境破壊につながるか、特に遺伝子組み換え技術によって支えられているかを指摘した(1)。動物の命を奪わない培養肉には期待を持っている方もおられたと思う。でも残念ながら、生態系の循環に位置づけられない培養肉は決して選ぶべき方法ではない。
 「いや、遺伝子組み換え技術を使わない培養肉だってあるじゃないか?」と言われるかもしれない。たとえばスイスのMIRAI Foodsは遺伝子組み換えしない培養肉を作ると掲げて注目を集めている。その説明記事にも遺伝子組み換え技術を使わないきわめて少数の培養肉企業の1つと書かれている(2)。
 それではMIRAI Foodsのような培養肉であればOKだろうか? 残念ながらそれもNGだろう。というのも結局はその培養をどう支えるか、全体のシステムが維持可能にならないからだ。現在、家畜の飼料は南北米大陸で作られる大豆やトウモロコシに依存している。培養肉を育てる栄養はどのように作るだろうか? 地域産の農産物? いや、やはり同様に南北米大陸やアジア、アフリカの農地で大規模に栽培する単一穀物に依存することにならざるをえないだろう。そして、これこそが現在の気候変動や生物大量絶滅の大きな要因となっている。
 農地は食を作る田畑ではなくなり、食料工場への原料供給場に変わる。そんな広大な原料供給場を、あなたの地域に作ることを想像してみてほしい。そこには農家はもういない。農薬を多用し、ドローンや大型機械だらけで人のいない地域に変わっていくだろう。そんな社会に住むことができる人はほとんどいない。そしてこのシステムは極少数の企業が知的所有権で独占的に垂直統合する。自立した農家も消費者もいない、そんな社会になっていく。それが未来像になるとしたらどうだろう? オランウータンの住処を奪うパームオイルには反対しても、培養肉に賛成するとしたらそれは矛盾以外のなにものでもない。