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USスチール、イリノイ州の高炉再稼働 米政府が9月に停止計画阻止
#日鉄のUSスチール買収 #素材 #北米
2025/12/5 8:45 [会員限定記事]
USスチールの製鉄所(写真はペンシルベニア州にある製鉄所)
【ニューヨーク=川上梓】日本製鉄傘下の米鉄鋼大手USスチールは米東部時間4日、米中西部イリノイ州の製鉄所にある一時休止中の高炉2基のうち、1基を再稼働すると発表した。USスチールの黄金株を保有する米政府は9月に同製鉄所の稼働停止計画を阻止していた。USスチールは再稼働の理由を「顧客の需要増加に対応するため」としている。

同州グラニットシティー製鉄所にある高炉を再稼働する。鋼材需要の減少を背景に2基とも一時休止していた。このうち、2023年から一時休止していた1基を再稼働する。今後、操業再開に向けた準備を開始し、26年4〜6月期に再稼働を目指す。産業向けの鋼材需要の回復が背景で、再稼働で500人の雇用創出に寄与するとしている。

同製鉄所を巡ってはUSスチールが9月上旬に稼働停止計画について労働者に通知し、この計画を米政府が認めないと伝えたことが明らかになっていた。

日鉄は日本時間5日、「米国内の顧客の需要に対応するため、USスチールが慎重に検討を重ね、決定したものだ」とのコメントを発表した。米政府が稼働停止計画を認めないと伝えたことと、高炉の再稼働決定とは関わりがないとしている。

USスチールの従業員が加入する全米鉄鋼労働組合(USW)のデービッド・マッコール会長は同日、「生産が再開され、安全に高品質な米国製鋼材が生産されることを楽しみにしている」とのコメントを発表した。

日鉄は6月に1年半の交渉を経てUSスチールを買収した。日鉄は買収にあたり、米政府が経営に拒否権を発動できる「黄金株」を付与した。

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