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良い風呂
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良い風呂の掲示板

>>645


けれども人が勤労の維持に資本を用いるのは、もっぱら利潤を得ようとするためである。

したがって、彼は常にその生産物が最大の価値を持ちそうな勤労活動、つまり貨幣なる他の財貨等と交換する場合にその最大量と交換されそうな勤労活動の維持にこの資本を用いようと努める。

個人の利益を目指す投資が見えざる手に導かれて社会の利益を促進する。

ところがすべてどの社会も年々の収入はその社会の勤労活動の年々の全生産物の交換価値と常に正確に等しい、いやむしろこの交換価値とまさに同一物なのである。

それ故各個人は彼の資本を自国内の勤労活動の維持に用いかつその勤労活動と生産物が最大の価値を持つような方向に持って行こうとできるだけ努力するから誰もが必然的に社会の年々の収入をできるだけ多くしようと骨を折ることになるわけなのである。

もちろん彼は、普通、社会公共の利潤を増進しようなどと意図しているわけではないしまた自分が社会の利益をどれだけ増進しているのかも知っているわけではない。

外国の産業よりも国内の産業を維持するのはただ自分自身の安全を思ってのことである。

そして生産物が最大の価値を持つように産業を運営するのは自分自身の利益のためなのである。

だがこうすることによって彼は他の多くの場合と同じくこの場合にも見えざる手に導かれて自分では意図してもいなかった目的を促進することになる。