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債券「新常態」で輝く、インフレ時代 高利回りにマネー
2024/05/05 04:00 日経速報ニュース

市場は転換点に
 FRBが利下げに踏み切れず、日銀が利上げを模索するなど各中銀がインフレに手を焼く中、代表的な世界債券指数であるブルームバーグ・グローバル総合指数の利回りは4.03%と高水準が続く。2023年10月に付けた15年ぶりの高い水準となる約4.4%に迫る。20年に一時0.8%と最低水準に低下した利回りは5倍程度まで高まった。
 十分な利回りを得られることから、債券に注目が集まっている。世界の多くの国では景気減速が懸念されており、日本以外の国・地域の中銀にとって次の一手は利下げだ。仮に利上げとなっても、金利が上昇してきただけに債券価格の下落余地は小さいと見られている。債券投資にとって好機にあるとの見方が広がっている。
 実際に投資マネーが債券に流入し始めている。米調査会社EPFRによると、今年に入ってからのファンドへの資金流入額は債券が約2000億ドル(約31兆円)となっており、株式の1300億ドルを上回る。
 ある市場関係者は「低金利で債券を減らしてきた。MMF(マネー・マーケット・ファンド)から債券に資金が流入している」と指摘する。米投資信託協会(ICI)によると米国のMMFの残高は4月下旬に5.9兆ドルとピークから減少し始めた。

分散投資で備え
 リスク分散の観点からも注目が集まる。米運用会社ヌビーンが世界の機関投資家に今後投資を検討している資産を聞いたところ、「債券」が28%と最多だった。2位の不動産・インフラを15ポイントも大きく引き離した。
 米S&P500種株価指数は3月末に史上最高値を付けた後、高値圏で推移を続ける。PER(株価収益率)は約21倍と、割高感が強まっており、景気不安などをきっかけに下落するリスクもある。「リスク資産の調整に備えて、債券を保有すべきだ」とピムコジャパン共同代表者の正直知哉氏は強調する。
 為替市場では日本の当局が為替介入を実施したとの観測も浮上しており、円相場の急変動が続く。海外債券に投資する際は為替リスクにも目配りしたい。
 卵を産むニワトリを保有するように、債券に投資すれば、安定的なインカムを手に入れられる。

バベルの塔 債券「新常態」で輝く、インフレ時代 高利回りにマネー 2024/05/05 04:00  日経速報ニュース   市場は転換点に  FRBが利下げに踏み切れず、日銀が利上げを模索するなど各中銀がインフレに手を焼く中、代表的な世界債券指数であるブルームバーグ・グローバル総合指数の利回りは4.03%と高水準が続く。2023年10月に付けた15年ぶりの高い水準となる約4.4%に迫る。20年に一時0.8%と最低水準に低下した利回りは5倍程度まで高まった。  十分な利回りを得られることから、債券に注目が集まっている。世界の多くの国では景気減速が懸念されており、日本以外の国・地域の中銀にとって次の一手は利下げだ。仮に利上げとなっても、金利が上昇してきただけに債券価格の下落余地は小さいと見られている。債券投資にとって好機にあるとの見方が広がっている。  実際に投資マネーが債券に流入し始めている。米調査会社EPFRによると、今年に入ってからのファンドへの資金流入額は債券が約2000億ドル(約31兆円)となっており、株式の1300億ドルを上回る。  ある市場関係者は「低金利で債券を減らしてきた。MMF(マネー・マーケット・ファンド)から債券に資金が流入している」と指摘する。米投資信託協会(ICI)によると米国のMMFの残高は4月下旬に5.9兆ドルとピークから減少し始めた。  分散投資で備え  リスク分散の観点からも注目が集まる。米運用会社ヌビーンが世界の機関投資家に今後投資を検討している資産を聞いたところ、「債券」が28%と最多だった。2位の不動産・インフラを15ポイントも大きく引き離した。  米S&P500種株価指数は3月末に史上最高値を付けた後、高値圏で推移を続ける。PER(株価収益率)は約21倍と、割高感が強まっており、景気不安などをきっかけに下落するリスクもある。「リスク資産の調整に備えて、債券を保有すべきだ」とピムコジャパン共同代表者の正直知哉氏は強調する。  為替市場では日本の当局が為替介入を実施したとの観測も浮上しており、円相場の急変動が続く。海外債券に投資する際は為替リスクにも目配りしたい。  卵を産むニワトリを保有するように、債券に投資すれば、安定的なインカムを手に入れられる。

  • >>71067

    つづき・・

    株に比べ割安
     ハイテク株を中心に上昇が目立った株式市場と比較した、債券の割安さにも注目が集まっている。S&P500種株価指数のPER(株価収益率)は21倍。PERの逆数にあたり、利益から見た株式の利回りを示した益回りは約4.7%だ。一方、信用力が高いとされる投資適格社債の平均利回りは5.7%台と株式の益回りを上回る。
     債券よりもリスクが高い株式はそれに応じたプレミアムがのるため、通常は益回りが高くなる。年初からの急上昇で割高さが意識されつつある株式に対して債券は割安にある。
     国内証券のストラテジストは「値動きの大きい株式に投資しなくても、債券で安定して5%台の利回りを得ることができる。これ以上債券の利回りが上がれば、割高さが目立つ株は買いづらくなる」と指摘する。
     投資家の資金も債券に向かい始めた。足元でMMF(マネー・マーケット・ファンド)から債券に移す動きが広がっているという。年金基金も株式から債券に資金を移している。  

    注意したいのが投資先の分散だ。
    ピムコジャパンの正直知哉・共同代表者は「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の良さや利回り水準の高さを評価してメキシコやブラジル、インドへの投資が魅力的」だと話す。メキシコの10年債利回りは約10%で推移するほか、ブラジルも11%台で推移する。 
     メキシコとブラジルは先進国が利上げを始める前の21年前半から利上げを開始。一時メキシコの政策金利は11.25%、ブラジルは13.75%まで引き上がり、投資マネーの流入から通貨も上昇した。インフレを抑制し、景気の堅調さも意識されている。
     新興国債券の中ではインドへの関心も高い。インド国債は6月にJPモルガンの代表的な新興国債券指数「GBI―EM」に採用される。10カ月にわたって段階的に組み入れられ、指数に占める比率は最大10%まで高まる予定だ。
    一方、利下げに着目して金利低下による価格上昇にも狙いが集まる。ピムコの正直氏は「米国よりも利下げが進むとみられる英国、オーストラリア、カナダなどを選好している」と話す。高い利回りを享受しつつ利下げによる債券価格の上昇も狙う戦略だ

    バベルの塔 つづき・・  株に比べ割安  ハイテク株を中心に上昇が目立った株式市場と比較した、債券の割安さにも注目が集まっている。S&P500種株価指数のPER(株価収益率)は21倍。PERの逆数にあたり、利益から見た株式の利回りを示した益回りは約4.7%だ。一方、信用力が高いとされる投資適格社債の平均利回りは5.7%台と株式の益回りを上回る。  債券よりもリスクが高い株式はそれに応じたプレミアムがのるため、通常は益回りが高くなる。年初からの急上昇で割高さが意識されつつある株式に対して債券は割安にある。  国内証券のストラテジストは「値動きの大きい株式に投資しなくても、債券で安定して5%台の利回りを得ることができる。これ以上債券の利回りが上がれば、割高さが目立つ株は買いづらくなる」と指摘する。  投資家の資金も債券に向かい始めた。足元でMMF(マネー・マーケット・ファンド)から債券に移す動きが広がっているという。年金基金も株式から債券に資金を移している。    注意したいのが投資先の分散だ。 ピムコジャパンの正直知哉・共同代表者は「ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の良さや利回り水準の高さを評価してメキシコやブラジル、インドへの投資が魅力的」だと話す。メキシコの10年債利回りは約10%で推移するほか、ブラジルも11%台で推移する。   メキシコとブラジルは先進国が利上げを始める前の21年前半から利上げを開始。一時メキシコの政策金利は11.25%、ブラジルは13.75%まで引き上がり、投資マネーの流入から通貨も上昇した。インフレを抑制し、景気の堅調さも意識されている。  新興国債券の中ではインドへの関心も高い。インド国債は6月にJPモルガンの代表的な新興国債券指数「GBI―EM」に採用される。10カ月にわたって段階的に組み入れられ、指数に占める比率は最大10%まで高まる予定だ。 一方、利下げに着目して金利低下による価格上昇にも狙いが集まる。ピムコの正直氏は「米国よりも利下げが進むとみられる英国、オーストラリア、カナダなどを選好している」と話す。高い利回りを享受しつつ利下げによる債券価格の上昇も狙う戦略だ