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萎縮する投資家心理、売られる半導体株(NY特急便)-NQNニューヨーク 矢内純一
2024/04/20 06:19 日経速報ニュース 1350文字

 今週に四半期決算を発表したオランダの半導体製造装置大手ASMLホールディングと半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は決算発表を受け、いずれも株価が下落した。ASMLは市場予想を下回る受注額、TSMCは24年の半導体市場全体の成長見通しを引き下げたことが売りを誘った。米国みずほ証券のジョーダン・クライン氏は「今後に向けての業績の伸びに変化がないとして、投資家が不安視している」と指摘する。
 インタラクティブ・ブローカーズのスティーブ・ソスニック氏は「強気相場をけん引してきたセクターが相場が下落したときに最もパフォーマンスが悪くなるのは珍しいことではない」と話す。1〜3月期のSOXの上昇率は17%と、ナスダック指数(9%)やダウ平均(6%)に比べ大きい。「山高ければ谷深し」になるリスクに直面している。ある生命保険会社の運用担当者は「利益が出ている銘柄には早めに売りを出しておきたい」と明かす。
 人工知能(AI)需要などを追い風に半導体関連株を強気にみるアナリストは依然として多いが、市場心理の悪化に歯止めがかからなければ、資金の逆回転が続く可能性がある。先行きが読めない中東情勢だけでなく、期待されていた米連邦準備理事会(FRB)による利下げの開始も不透明となっている。今年に入ってからの米株相場の上昇を主導してきた半導体関連の調整が長引く雰囲気が強まっている。
 (NQNニューヨーク=矢内純一)