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温故知新
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温故知新の掲示板

>>186393

こういうのもあります。

http://www.nglo.jp/%E8%AA%A4%E5%9A%A5%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

誤嚥事故について
①疾病免責条項あり

◎パーキンソン病の持ち主が、昼食のもちをのどに詰まらせて窒息し、低酸素脳症による意識障害が残り、常に介護を要する状態になった事案。

平成19年7月6日 最高裁平19(受)95号 補償費支払請求事件

民集61-5-1955

保険者は中小企業災害補償共済
支払事由:急激、偶然、外来の事故により身体に被った傷害
免責事由:脳疾患、疾病、心神喪失

(判決理由)

請求者は、外部からの作用による事故(身体の外にあったもちをのどに詰まらせたこと)と傷害との間に相当因果関係があることを主張、立証すれば足りる。

傷害が疾病(パーキンソン病による嚥下機能障害)を原因として生じたものではないことまで主張立証すべき責任を負うものではない。

◎飲酒を伴う食事をした後、うつ病の治療のため複数の薬物を服用した。うたた寝をして目を覚ました後に嘔吐し、吐物を誤嚥して、気道閉塞により窒息死した事案。

最高裁 平成25年4月16日  裁判集民243-315

争点:誤嚥して気管に入った物はもともと胃の内容物であった。

窒息の原因は、薬物の影響で気道反射が低下していたため、誤嚥物を自力で気管から排出できなかったことである。

判決理由:誤嚥して気管に入った物はもともと胃の内容物であったとしても、身体の外部からの作用であり、外来の事故である。

破棄差戻し
本件約款には、疾病免責条項があり 「疾病、脳疾患、心神喪失によって生じた傷害については、保険金を支払わない。」と定められている。したがって、うつ病の治療のため服用していた薬物が、飲酒によるアルコールと相互作用して中枢神経抑制作用を示し、気道反射が著しく低下することは、「疾病」に該当するかどうかが争われることになろう。

普通の通常人であっても精神薬を服用している者がクラス会の旅行で飲酒して身体の不調をきたすことは見受けられる。薬物と飲酒との相互作用は「疾病」には該当しないのではないか。