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株価動向予想の掲示板

●積水化は東京都と強力タッグ

 行政の後押しも強い追い風となる。東京都は、昨年12月に積水化学工業 <4204> [東証P]とフィルム型ペロブスカイト太陽電池の共同研究を行うことを公表した。2025年の事業化を目指すが、積水化は既に発電効率15.0%のフィルム型ペロブスカイト太陽電池の製造に成功している。同社の発表によると、シリコン系太陽電池は重量などによる設置場所の制限が課題となっているとし、「フィルム型ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟という特長を持ち、ビルの壁面や耐荷重の小さい屋根、あるいは曲面といった、さまざまな場所に設置が可能」だという。また昨年8月、同社はJR西日本 <9021> [東証P]が開業を目指す「うめきた(大阪)駅」にフィルム型ペロブスカイト太陽電池を提供、設置することが決定したと発表。同社として初めての一般共用施設への設置となる。

 前出の業界大手関係者も「ペロブスカイトは、なんといってもまずは軽いことが大きな利点で、屋根など設置場所での補強工事が不要だ。シリコン製の場合、例えば工場の屋根に設置しようとすると耐荷重の補強工事が必要になる場合もある。窓ガラスにさえ取り付けることも可能だ」と、その使い勝手の良さを強調する。

 また、政府も昨年12月に、GX(グリーントランスフォーメーション)実現に向けた基本方針(案)をとりまとめ、今後10年間のロードマップを提示した。このなか、ペロブスカイト太陽電池についても取り上げ「太陽光発電の更なる導入拡大や技術自給率の向上にも資する次世代型太陽電池(ペロブスカイト)の早期の社会実装に向けて研究開発・導入支援やユーザーと連携した実証を加速化するとともに、需要創出や量産体制の構築を推進する」と明示した。国や都などからペロブスカイト太陽電池推進に向けて政策の大号令が発出されるなか、投資家の視線も更に熱を帯びることになりそうだ。今回の特集では、ペロブスカイト太陽電池で飛躍が期待される銘柄をピックアップした。