ここから本文です
投稿一覧に戻る

6740 - (株)ジャパンディスプレイ 株主の部屋の掲示板

東大と東北大、高感度直接変換X線イメージセンサ技術を確立
日本經濟新聞 2024年5月10日 16:05

【プレスリリース】発表日:2024年05月10日
高感度直接変換X線イメージセンサ技術を確立
——臭化タリウムを用いたFPD——
【発表のポイント】
●X線に高い感度、信号雑音比を有する臭化タリウムの信号処理基板への直接形成技術を確立した。
●フラットパネルディテクタと組み合わせることで高精細なX線イメージセンサを実現した。
●広範囲に変換膜を形成することが可能であり、超大型X線イメージセンサやフレキシブルセンサなどへの応用が期待される。
※参考画像は添付の関連資料を参照
【概要】
東京大学大学院工学系研究科の Moh Hamdan(モー ハムダン)大学院生(研究当時、現在 : 学術専門職員)、島添健次 准教授、東北大学の野上光博 助手、人見啓太朗 准教授らは株式会社ジャパンディスプレイ(JDI)と協力し、新たに臭化タリウム(注1)を直接変換膜とした高精細・高感度なX線イメージセンサの作成手法を確立しました。X線(注2)を用いた画像診断は、医療応用ではレントゲンやマンモグラフィー、産業用途では異物検査や内部構造の検査など広範囲で用いられる非常に重要な技術です。本手法により、X線検出の高感度化やそれに伴う低被ばく化、イメージセンサの大型化、フレキシブル化などの可能性が開かれます。
臭化タリウムは、高原子番号のタリウムと臭素の組み合わせによる非常に高い密度(7.56g/cm3)により、X線やガンマ線への高い感度を持ちます。本研究グループは、その低融点である特徴を利用し、蒸着技術を用いて臭化タリウムを精度の高い結晶変換膜として広範囲に形成する技術を確立しました。さらに、この変換膜をJDIの有するFPD(Flat Panel Detector、注3)による微細ピクセル読出技術と組み合わせることで高感度なX線イメージセンサを実現する技術の開発に成功しました。
本手法は、大規模なイメージセンサへの応用や、平面以外への形成も可能であり、新たなX線イメージング技術となることが想定されます。
本研究成果は、2024年5月9日(米国東部夏時間)に米国科学誌「Nuclear Instruments and Methods in Physics Research Section A: Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated Equipment」のオンライン版に掲載されました。

  • >>795

    今後、JDIのセンサーやヘルスケア関連製品での展望に期待しています!。


    発表内容の抜粋
    社会的意義・今後の予定 本研究により、X 線やガンマ線への高い感度をもち、電荷に直接変換可能な臭化タリウムを、 蒸着方式によって広範囲に、品質を落とすことなく形成する技術が確立されました。また FPD の技術と組み合わせることで、高精細な直接変換型 X 線イメージセンサが構成可能であることが示されました。これにより、将来の開発が期待される大型 X 線装置への展開や、形状が特殊 なフレキシブル型、更に微細化したピクセルによる高精細 X 線イメージセンサなどへの応用も考えられ、多くの展開が想定されます。また用いている材料や信号処理、画像処理等はいずれも国産技術であり、今後オールジャパンの体制での開発の推進が期待されます。