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上昇率の大きいインデックス・ファンドを買うには、どうしたらいいの? その1
1/28(金) 21:40配信
ファイナンシャルフィールド

インデックス・ファンドへの投資は分散投資に使われる方法で、特定の企業の株にだけ投資せず、ある証券取引所の平均株価指数など、市場の動きに連動する指標に投資することをいいます。

日経平均株価225種、米国S&P500など、市場に連動する指数は通常100を超える銘柄に投資をするので、ある企業の株価が下がっても、別の企業の株価が上がるといったリスク分散の効果があります。

ところで、コロナ禍での金融緩和により株価が上昇しましたが、インデックス・ファンドの中でも上昇率には差があります。

ここでは、なぜそのような差が出るのか、また投資をする際にどのインデックス・ファンドを選んだらよいのかについて、S&P500インデックス・ファンドと、MSCIコクサイ・インデックス・ファンドを例にとって2回に分けて解説したいと思います。

S&P500インデックス・ファンドとは?
S&P500とは、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスLLCが公表している株価指数で、米国の代表的な株価指数の1つです。ニューヨーク証券取引所、NASDAQなどに上場している企業のうち、代表的な500銘柄を時価総額で加重平均し、指数化したものです。

S&P500は米国株式市場全体に対し、約80%の時価総額比率を占めているので、米国市場全体の動きをおおむね反映している米国を代表するインデックスといえるでしょう。

S&P500インデックス・ファンドとは、S&P500インデックスに連動するように設計された投資信託をいいます(S&P500インデックスに連動するインデックス・ファンドはいくつかあり、値動きや手数料に若干の差がありますが、ここではそこまで考慮する必要はありません)。

当然のことながら、500銘柄は全て米国企業の株式で、投資通貨も米国ドルとなっています。投資先500銘柄のうち、上位10位までの銘柄は以下の表のとおりで、そのうち、いわゆるGAFAM(※)が20.8%とS&P500の1/5を占めています。

(※)米国のAlphabet(Google)、Apple、Meta(Facebook)、Amazon、Microsoftの5社を指し、それぞれの頭文字をとってGAFAMという。世界で支配的影響力を持つIT企業群の通称として使われ、株式市場においても大きな影響力がある。

MSCIコクサイ・インデックス・ファンドとは?
米MSCI社が提供するMSCIコクサイ・インデックスは、日本を除く先進国株式を構成銘柄としています。先進国株式全体を対象とするMSCIワールド指数から日本を除いたもので、日本から見た「外国株式」を捉える代表的なインデックスの1つといえます。

MSCIコクサイ・インデックス・ファンドとは、MSCIコクサイ・インデックスに連動するように設計されたインデックス・ファンドをいいます(S&P500インデックス・ファンドと同様、MSCIインデックスに連動するインデックス・ファンドはいくつかあり、値動きや手数料に若干の差がありますが、ここではそこまで考慮する必要はありません)。

投資対象通貨比率で見ると、米国ドルが72.2%とほとんどを占めており、カナダと合わせると約75%、残りは欧州の通貨が約20%、アジア・オセアニアが5%という比率になっています。

図表2

※МUFG 三菱UFJ国際投信 「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 投資信託説明書(請求目論見書) 使用開始日2021.7.21」より要約して筆者作成

組入上位銘柄では、S&P500と同様の銘柄が並んでいますが、組入比率はS&P500と比べて低下しており、GAFAMが14.4%とS&P500よりも6.4%ほど低下しています。

要約すると、MSCIコクサイも主力は米国企業の株式で、それに欧州、カナダ、アジア・オセアニアなどが加わったものということができます。

図表3

※МUFG 三菱UFJ国際投信 「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 投資信託説明書(請求目論見書) 使用開始日2021.7.21」より要約して筆者作成

まとめ
インデックス・ファンドの代表格であるS&P500とMSCIコクサイのファンドの構成、その特徴について分かっていただけたかと思います。次回「その2」では、それぞれの上昇率の比較と、上昇率に差がつく理由について説明します。

出典
МUFG 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) 投資信託説明書(請求目論見書) 使用開始日2021.7.21
МUFG 三菱UFJ国際投信 eMAXIS Slim 先進国株式インデックス 投資信託説明書(請求目論見書) 使用開始日2021.7.21

執筆者:浦上登