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ストラジスト の 株価予測の掲示板

2024年5月8日
4月から輸送用機器指数は4.5%下落、TOPIXを下回る成績
円安で日本株が上昇する時代は終わった-ピクテの糸島氏



円相場と自動車株の相関関係が崩れている背景の一つには、足元の円安は行き過ぎの領域に達しており、今後修正されるとの見方があるためだ。2020年末以降、円の価値は対ドルで3割以上低下しており、4月29日の取引では一時160円17銭と34年ぶりの安値を更新した。

経済協力開発機構(OECD)の推計ではドル・円の購買力平価は95円程度(22年)みられていることから、現在の円相場は歴史的に見ても異例の安値水準で、中長期的には反発する可能性があるとの見方は少なくない。

コムジェスト・アセット・マネジメントのポートフォリオ・マネージャー、リチャード・ケイ氏も、「円がいずれはかなり劇的な正常化を迎える可能性が高い。それに対する備えが必要だ」と指摘する。

  昨年来の円安進行は日本の自動車メーカーの収益を大きく押し上げた。

自動車各社も、年度初めの業績予想の発表では大幅な円安を織り込むことに慎重となる可能性が高い。三菱UFJアセットマネジメントの友利啓明エグゼクティブファンドマネージャーは「自動車メーカーは円安の恩恵を最も受けているが、年度の業績ガイダンスはそれほど強くないのではないかとの懸念がある」と言う。

  さらに無視できないのは、円安がコスト増を通じて国内景気に与える悪影響を懸念する声が日増しに強まっている点だ。こうした声を背景に、政府・日本銀行も円安抑止に配慮した政策運営を迫られる可能性が高い。

財界首脳から相次ぐ円安是正要望、「行き過ぎ」と新浪氏-155円目前

  直近の為替市場の動きは、経済が堅調なドルの独歩高という側面も強く、米国のインフレ収束が見通せない中、円安が止まらない可能性もある。金利先高観からドルが買われやすく、通貨安に悩むのは日本だけにとどまらない。

  とはいえ、円安の恩恵を最も受けるはずのセクターの株価が低迷している事実は、円安進行時に日本株を買う伝統的な手法がもはや通用しなくなった可能性を示唆する。ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジストも「円安で日本株が上昇する時代は終わった」との見方を示している。