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私と経済の掲示板

iPhone12発売 コロナ対策で店頭ひっそり

高速通信規格「5G」に対応した米アップルの「iPhone12」シリーズ2機種が23日、発売された。新型コロナウイルスの感染予防で、店頭では例年の大行列が見られず、NTTドコモとソフトバンクは発売カウントダウンイベントを見送った。いつもと違う静かな出だしとなったが、5G端末の起爆剤にできるかの注目は高い。

午前8時の開店直前のアップル表参道(東京・渋谷)。例年は店の周囲に行列ができるが、来店予約を勧めていたこともあり、店頭に並んでいたのは約30人だった。

客は検温器で体温を測り、1メートルの間隔を空けて並んだ。開店時には店員のカウントダウンがあったが、いたって静かだ。恒例のハイタッチもなく、店内は1テーブル1組程度に制限していた。

朝4時に来たという写真家の男性(40歳代)は「11Proから12Proに買い替えて、カメラ性能の検証をしたい。でも5Gはエリアが狭いので期待していない」と話す。「撮影した写真や動画をすぐに送信できれば便利なので、キャリアはもっとエリアを拡大してほしい」と訴える。

12Proを買った会社員男性(23)も「別の5G端末も持っているが、まだ恩恵を実感していない。iPhoneもインフラの整備待ちだろう」と述べた。

KDDIは携帯大手3社で唯一、オンラインでカウントダウンイベントを開いた。東海林崇副社長が「楽しみに待っていた12シリーズ。5Gは高画質の動画など、これまでにない新しい体験を楽しめる」と強調。動画配信と組み合わせた割安の料金プランのほか、「2021年度末には5Gの全国人口カバー率を90%にする」などと基地局の拡充を説明した。

5Gは国内では今春に商用サービスが始まったが、新型コロナの感染拡大で大規模なイベントなどが開けなかった。5Gスマホの契約台数はKDDIが数十万台、ドコモも8月末時点で30万台にとどまる。国内のスマホ出荷台数のシェアで約半分を握るiPhoneの5G登場で、普及に火が付くか注目される。