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4563-アンジェス記事ストック
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日欧、ワクチン確保へ共同買い付け 枠組みづくり調整
2020/7/8 2:00 日本経済新聞社

日本政府は英独仏や欧州連合(EU)などと新型コロナウイルスのワクチンを共同で買い付ける枠組みを創設する調整に入った。複数の国や機関が総額200億ドルを超す資金を出し合う方向だ。今夏中の立ち上げをめざす。日本は最大約8億ドルの拠出を見込む。

日英などのほかイタリア、スペイン、ノルウェー、カナダが共同で提案し、現在までに約30カ国が参加を伝えている。最も多くの感染者を出す米国や最初に感染が広がった中国などの政府は現時点では加わっていない。

米欧中など各国の企業は新型コロナのワクチン開発を進める。自国への安定供給のため、米国や中国政府は独自にワクチンを囲い込む構えをとる。日欧など他の国は単独では資金力が弱いため、共同のチームを組む。

特定の国が独占せず幅広く行き渡るよう、参加各国が受け取れるワクチンの上限は人口の20%と約束し合う。米中やオーストラリアなど各国の開発企業と前払いで買い取る交渉に乗り出す。企業が将来の需要を見越せるため、開発の後押しにもなるとみる。

先進国向けとは別に、予防接種を支援する官民連携団体「Gavi(ガビ)ワクチンアライアンス」が中心となって途上国向けの枠組みを設ける。先進国が資金を出し合って発展途上国にもワクチンが届くようにする。安倍晋三首相は6月、Gaviに5年間で約3億ドルを拠出すると表明した。

日本政府は塩野義製薬や阪大発のバイオ企業「アンジェス」など国内企業が開発を進めるワクチンを支援する。米欧中と比べて実用化が遅れる可能性が指摘されており、海外からの安定供給にも手を打つ。

すでに日本へのワクチン供給に関して英アストラゼネカと協議に入った。今回欧州などと立ち上げる国際枠組みも並行して活用し、一定量の確保を狙う。

ワクチン確保を巡って米欧で争奪戦となっている。世界最多の感染者と死者を出す米国はアストラゼネカや仏サノフィに資金を投じる。

欧州側は有力企業の引き留めに躍起となる。フランスはサノフィが製薬工場を国内に建設するのを支援する。EUは治験のデータが少なくても条件付きで承認する例外規定を使い、欧州企業のワクチン開発を支える。