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minkoの部屋 ペソ/円の掲示板

お取引の参考にされます方は、ご自身の判断でお願い致します
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マーケットインフォメーション
ドル安基調への過信に注意?

昨晩のNY市場終盤に106円00銭まで上昇し、105円ドル・円は続伸し、105円99銭で昨晩の取引を終えました。米10年国債利回りは、27日のパウエル米FRB議長の講演を控えた持ち高調整の買い戻しで0.623%と先々週11日以来の水準まで低下。しかし、ウィルスに対する新たな治療法への期待感などを受けてNY株式市場では主要株価指数が続伸したこともあり、米国債は売られ10年債は0.65%台へ上昇。今晩から相次いで2年債、5年債、7年債の入札が控えていることも債券市場の重荷となりました。
ダウは378㌦高の28,308㌦で取引を終え2月21日以来の高値を更新。さらに、ナスダックは3日連続で史上最高値を更新したほか、S&P500も2日連続で最高値を更新して取引を終えました。また、昨晩のNY株式市場の上昇を好感し、日経平均株価も11時15分過ぎに376円高の23,362円まで反発するなど堅調な値動きとなっています。
ドル円は午前9時過ぎに106円05銭まで上昇したものの、日足・転換線(106円07銭)が上値抵抗線として意識されるほか、27日のパウエル米FRB議長の金融政策の枠組み見直しについての講演を控えて様子見ムードもあり、上値の重い値動きを継続。

為替市場の注目は米国の実質金利の動きかもしれません。最近の指標からは、期待インフレ率が着実に上昇する一方、名目金利の低位安定が実質金利を押し下げている傾向が確認されています。ウィルスに対する新たな治療法やワクチン開発の動きも景気回復への期待を繋ぎ止めているように思われる中、ゼロ金利政策の長期化といった安全弁がリスク資産の選好につながる環境を支え、株高をもたらしていると言えます。また、リスク選好地合いであれば、円は売られやすい通貨との見方もありますが、ドル売りがテーマとなっている昨今、円だけが特別視されることはないというのもドル円の上値の重さにつながっているように思われます。

今後のドルの方向性を占う上で、目先、対ユーロを中心とした短期的・投機的なドル売りポジションの積み上がりかもしれません。先週末21日に発表されたフランスやユーロ圏8月の製造業PMIの下振れに対し、米8月の製造業PMIが予想を上回る上昇となったことでユーロ売りドル買いが加速したこともドル売りポジションの巻き戻しの材料になりました。ドル売りへの疲れが強まると、一段とユーロ買い・ドル売りポジションの巻き戻しが加速する可能性に注意が必要かもしれません。

また、ドル円に関しても日米の名目金利差があまり縮小していないこともあり、本邦の機関投資家による外債投資意欲が極端に低下している可能性は低いかもしれません。先週公表された7月のFOMC議事要旨からはフォ ワードガイダンスの強化など追加緩和の議論が煮詰まっていないとの見方も聞かれました。27日のパウエルFRB議長の講演で米長期債利回りをこれ以上低下させようとする意図がないと判断された場合、思わぬドル売りの反転が生じる可能性には注意が必要かもしれません。