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ユロ板討論会の掲示板

 本日のロンドン為替市場でポンドは、バルニエ欧州連合(EU)離脱首席交渉官が昨日述べた(英国との交渉においてEUが行っている)「最後の一押し」の結果次第か。争点となる漁業権を巡り、バルニエ首席交渉官は英国の新たな提案を受け入れられないとの考えを示したもよう。一部通信社は外交筋の話しとして「バルニエ氏は英仏間の間で綱渡りをしているようだ」との見方を紹介している。交渉が合意あり/なしのどちらに転ぶかは依然として微妙な状況であり、「最後の一押し」の効果を見守りたい。なお、英離脱後のEU漁船の英海域における漁獲量について、EU側は25%削減ならば受け入れると見られている。英の新提案は35%削減であり、10%の溝を埋められるかがポイントとなる。

 ユーロドルは3月につけた1.06ドル台を底とした上昇トレンドは継続中だが、昨日引けは1週間ぶりの1.21ドル台、日足一目均衡表・転換線も下回っており、調整局面がもう暫く続く可能性はあるか。1.21ドル半ばから1.21ドルにかけて買いオーダーは観測されるものの、ストップロスも置かれ始めた。先週末に米・商品先物取引委員会(CFTC)が発表した15日時点での投機筋の先物ポジション状況では、ユーロのネットロングは前週比で減少したが14万枚台と依然として高水準だ。年末にかけてリスクを落とすことは考えられ、その場合は1.20ドル台までの押しはあってもおかしくなさそうだ。

 なお、昨日はロンドンフィキシングにドル買いのフローが観測されており、本日もフィキシングに向けての値動きは要注意となるだろう。クリスマス週間で市場流動性が悪化しやすい時期でもあり、いつも以上に値幅が広がる可能性はありそうだ。
 欧州関連で気になるニュースは、ロシアがEU制裁への報復措置をとったこと。対露制裁の決定に関わった人物の入国禁止と限定的だが、今後も両者の溝が広がれば、ロシアに頼るところもある欧州のエネルギー政策に影響を与えることになるだろう。また、EU参加を目指す北マケドニアの加盟が隣国ブルガリアの交渉反対で遅れる可能性がでてきたことも、欧州のリスクとして意識され始めるかもしれない。


想定レンジ上限
・ポンドドルの上値めどは先週引け値1.3523ドル付近。ユーロドルは1.2189ドルの日足一目均衡表・転換線を念頭に、昨日高値1.2257ドルから年初来高値1.2273ドルが抵抗帯。

想定レンジ下限
・ポンドドルは昨日安値1.3304ドルが目先の下値めど。割り込むと21日安値1.3188ドルが意識される。ユーロドルは21日移動平均線1.2110ドルが下値めど。