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東京電力ホールディングス(株)【9501】の掲示板 2017/03/29〜2017/03/30

>>776

 3月23日、「森友学園」の籠池泰典理事長への証人喚問が行われた。籠池理事長は安倍晋三首相夫人・昭恵氏が森友学園の経営する塚本幼稚園で講演会を行った際、籠池理事長と2人きりの状態で「安倍晋三から」として「寄付金として、封筒に入った100万円をくださいました」と証言した。また、籠池理事長からは、大阪府の小学校設置基準緩和について、政治家に協力を求めたとして、以前から名前が出ていた鴻池祥肇氏に加えて、東徹氏(維新の会)、柳本卓治氏(自民党)らを挙げた。

 これに対して、昭恵夫人はフェイスブック上で「私は、籠池さんに100万円の寄付金をお渡ししたことも、講演料をいただいたこともありません。私は講演などの際に、秘書に席を外してほしいというようなことは言いませんし、そのようなことは行いません」と完全否定した。名前を挙げられた政治家も、国有地売却や大阪府の小学校設置認可基準の緩和をめぐり不当な働き掛けを否定した。ただし、籠池理事長の依頼に対して、役所へ照会したことは認めている。

政治家の「実名」以外
何も明らかにならなかった証人喚問

 基本的に、筆者はジャーナリストではなく学者だ。森友学園の件に関して、何か裏情報などを持っているわけではない。この連載の紹介文の通り、「さまざまな出来事を、通説に捉われず批判的思考を持ち、人間の合理的行動や、その背景の歴史、文化、構造、慣習などさまざまな枠組を使い分析する」のである。従って、この問題についても、あくまで日本政治・社会の特徴を一般的に論じることに徹している。

  • >>777

    ‥‥‥続
     証人喚問で明らかになったことを一般的に考えてみよう。端的にいえば、証人喚問で話されたことは、日本政治・社会では「当たり前のこと」の範囲を超えるものではなかった。前回論じたように、運動会など学校行事等に地方政治家や国会議員が、選挙対策として顔を出すのは日本政治の日常だ。

     そこでは、「教育方針が素晴らしい」などリップサービスを交えた来賓祝辞もしていただろう。自民党だけではなく、維新の会とも「オルタナ保守系」同士で交流を深めていたのだろう。そんなことが続くうちに、小学校を作りたいと相談を受けるようになった、というのが基本的な流れだ。

     証人喚問で明らかになったのは、その政治家の「実名」というだけのことだ。しかし、政治家に役所を動かす力があったことが明らかになったわけではない。「政治家が相談に乗る」「役所の担当者を紹介する」という通常の陳情があっただけだ。名前が挙がった政治家も、陳情があったこと自体を否定していない。

     結局、籠池理事長が地方・国の様々な政治家に接触し、近畿財務局にも掛け合ったが、国有地を安く購入することはできず、財務省理財局訪問のアポ取りさえ断られていた。理事長が理財局に直談判して、初めて森友学園の要求が通ったのであり、政治家はルールに従って事務的に対応していた近畿財務局を動かすことはできなかったという、既に明らかになっていたことを超える事実は出てこなかったのだ(本連載2017.3.14付p2)。前回の繰り返しだが、結局少なくとも鴻池元防災相を超える「大物政治家」が関与したかが焦点ということになる。

    昭恵夫人が財務省を
    動かすことはあり得ない

     証人喚問の実施をずっと否定してきた自民党が一転、実施を決めたのは、籠池理事長が「安倍首相から100万円の寄付を受けた」と発言したからである。「売られた喧嘩は買う」とばかりに、そこまで言うなら、「偽証罪」に問われる証人喚問で白黒つけてやろうということだ。従って、突き詰めれば証人喚問の焦点は、本当に森友学園の土地取得に首相および昭恵夫人の関与があったかのみということになる。