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エイベックス(株)【7860】の掲示板 2015/04/16〜2016/11/17

浜崎あゆみのニューアルバムが定額制(サブスクリプション)の音楽配信サービス「AWA」で全曲先行公開されて話題になっている。2016年6月29日に発売される「M(A)DE IN JAPAN」が公開されたのは5月11日。「え、なに?」「タダで聞けちゃうの?」――前触れもなく公開された新アルバムにファンの驚きの声が広がった。AWAは有料の音楽配信サービスだが、アプリをダウンロードすると初めの1カ月は無料で楽しめる。配信されているアルバム収録曲の再生数の合計が冒頭の210万。リリース5日間でミリオン再生を記録した。浜崎あゆみほどのビッグアーティストが、アルバムの収録曲全曲を、しかもCD発売の1カ月半も前に先行公開するのは本当に異例のことだ。しかもサブスクリプションサービスでの配信となると、日本では初めてだろう。浜崎あゆみのツアーでは初めて、3曲目までの写真撮影も許可した。ライブの楽しみ方も変わってきている。浜崎あゆみは5月14日から、アルバムと同名の全国ツアーの真っ最中。アルバムはこのツアーが始まる前に突然公開された。これまでは「ツアー前にアルバムを出して、ツアーを開催するということを十数年やってきた」と話すのは、エイベックス・ミュージック・クリエイティヴの音楽事業本部 第3音楽事業部で浜崎あゆみを担当する米田英智事業部長。ここ数年はCDを出すタイミングを変えたりしてきたが、「今回は5月~7月のツアーの間の6月に出すのはどうか、ということになった。(米田氏)。ただそれでは、ツアーが始まるまでにファンが新曲を聞けない。そこで浮上したのが、サブスクリプションサービスで全曲を公開するというアイデアだった。海外ではリアーナやビヨンセといった有名アーティストが実施した例があるが、「日本だとチャレンジしているアーティストがいなかった」と米田氏。「いいね。誰もやっていないんだからやろうよ。でもどうせやるならサプライズがある仕掛けもしたいよね」浜崎本人も乗り気になって、発売1カ月半前の全曲配信が決まった。配信が始まることを告知しない、まさにサプライズ。アルバムを作っていることすら公表していなかったという。新しい試みは音楽プロモーションの定石を変える可能性を秘めている。数年前までなら、ラジオで曲をオンエアし、テレビの音楽番組に出て、CDを発売、そしてライブツアーに出るというのが大きな流れだった。しかし、CD市場は縮小傾向であり、「音楽の広がり方が変わってきている」とエイベックス・グループ・ホールディングス社長室の部長で、AWAの取締役を務める若泉久央氏。ラジオやテレビ番組に代わって音楽を広める役割をサブスクリプションサービスが果たす可能性があるとみる。YouTubeで見せて、ライブに集客する手法は既に一般的。将来的にはサブスクリプションサービスで音楽を聴いてもらって、ライブで見て好きになってもらい、初めてCDも買ってもらう――そういう順番の変化が必ず起こる」(若泉氏)。今回のツアーでも新曲は披露されているが、米田氏はライブに集まったファンは「初日から新曲を聴いている感じがあった」と話す。「みんな乗っているというか、新曲を知っている。ああ、聴いてくれているんだなと思った」(米田氏)。サブスクリプションサービスはまだ黎明(れいめい)期で、一般に浸透しているとは言い難いが、今後利用が拡大すれば新曲公開も進むかもしれない。1曲ごとに音楽を買って聞くタイプの音楽配信サービスと違って、サブスクリプションサービスは、文字通り、一定の料金を払えば、どの曲でも自由に聞ける。「試しに聞いてみる」にはとても便利なツールでもある。浜崎あゆみの全国ツアーは7月18日まで続く。もちろん新曲も披露されているサブスクリプションサービスで新曲が公開されるようになったら、CDがますます売れなくなるのではないか――米田氏はこんな懸念も否定する。浜崎あゆみのアルバムの発売はまだ先。実際にどうかは結果をみないと分からない。ただ「CDは“モノとして手元に残したい人が買う商品”という色合いが濃くなった」(米田氏)。音楽CDに加え、未公開の映像作品を収録したDVDを付ける豪華版パッケージが当たり前になり、こうした高額のコレクターズアイテムから売れていく。音楽を聴くためだけにCDを買うのではない。未公開の映像やCDのパッケージなど付加価値の所有を楽しむ商品に代わりつつあるのだ。浜崎の作品も例外ではない。CDを買う人は、「たとえアルバム収録曲が先行公開されても買うと思う」と米田氏。若泉氏も「本当にきちんとマーケットやファンを見ていれば「CDの売り上げに響かないということは分かる」と話す。