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タカラバイオ(株)【4974】の掲示板 〜2015/04/27

今後は治療遺伝子導入も

 癌のウイルス療法では、腫瘍免疫系の賦活化も期待されている。ウイルスが細胞内に侵入した後、表面抗原としてウイルスが発現し、抗原提示性マクロファージなどによって誘導されたCD4陽性リンパ球、CD8陽性リンパ球が癌細胞内に侵入し、宿主の抗腫瘍免疫が惹起されることが分かっており、それをさらに高めるような方策も検討されている。

 特にHF10の場合、遺伝子のサイズが大きく非必須遺伝子が多いことから、外来性遺伝子を導入しやすく、様々な特性を追加したウイルスを作製することができる。そのため、GM-CSFなどのサイトカインをはじめ、プロドラッグの活性化酵素遺伝子を組み込み、腫瘍溶解活性や腫瘍免疫をさらに高めることが考えられている。実際、動物実験では腫瘍免疫も誘導されることが確かめられており、研究はさらに発展しそうだ。

 粕谷氏は、研究の現状を踏まえて「HF10は、強い腫瘍溶解性を示す一方、重篤な副作用も確認されていない。また、局注段階ではHSV抗体価の上昇もみられず、繰り返しての利用も可能だと考えられる」とし、それだけに応用性は広いと報告した。