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(株)アスカネット【2438】の掲示板 2020/06/30〜2020/07/11

>>984

xdjhfさん、こんにちは。

アスカネットの特許には全反射を利用するものもあります。(金属反射面については、「金属光反射面を形成することもできる」として「総合的な反射効率が上昇する」としています。)

技術的には金属反射面を無くすことは簡単だと思いますが、「樹脂製プレートの最大の課題」であっても金属反射面にこだわり続けたのは、コスト以上の性能差があり、世の中の求める画質を達成するのに必要だったからではないかと思います。

世の中の需要が「画質なんて関係ない!とにかく安くて浮いて見えりゃいいんだ!」ということなら、今頃AIRR(再帰反射材+ハーフミラー)の空中ディスプレイが街中にあふれているはずですからね。(最近はコロナの影響でそういう需要も増えてきたかもしれませんが)

コストダウンは金属反射面を無くすより、現状のままでも大量生産の方が効果は大きいと思います。(それこそ何分の1にもなるほど)

対してパリティミラーに金属反射面の加工を行うことは技術的に大変困難だと思われます。

アスカネットも当初は四角形の溝で、水平面(頭頂部と谷底)をマスキングして金属蒸着したあと、マスキングを剥がす(紫外線剥離樹脂)工程を考えていました。

  透明のままにしたいのでマスキング
  ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ 
 ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐ ┌─┐
 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │←垂直面のみ鏡面処理が必要
 │ │ │ │ │ │ │ │ │ │
 │ └─┘ └─┘ └─┘ └─┘ └
 │
 └──────────────────

それが大変困難だったのか、現行の樹脂製プレートは三角溝を持ち、斜めから金属粒子を吹き付ける等の方法で垂直面のみ鏡面化しています。
             
            │\/ 金属粒子の吹きつけ
            │  /
            │  \ 
            └───

斜面は全て透明でなければいけない(鏡面処理なし)
 ↓    ↓   ↓   ↓   ↓
   /│  /│  /│  /│  /│
  / │ / │ / │ / │ / │←垂直面のみ鏡面処理が必要
 /  │/  │/  │/  │/  │

 ────────────────────

パリティミラーは四角形の溝ではなく、四角形のブロックが並んでいて、その側面のみの鏡面加工が必要になるので更に困難になると思います。(金型から抜きやすくするためか、ブロックが完全なサイコロ状ではなく台形をしているので、垂直な側面のみ鏡面加工が必要)

     鏡面   鏡面
     ↓    ↓
   ──┐  ──┐
  / 鏡│ / 鏡│ ※これを実現するとしたら相当難しい?
──  ↑└─  ↑└─
  ブロック側面 ブロック側面

あとθgの特許ですが、2017年3月出願、2017年6月公開の特許が無事取得されたということで、現在も研究しているかどうかは不明です。

以前は決算説明資料にも「視野角拡大タイプ」とあり、再帰反射材を使用した空中結像の研究していたようですが、最近は音沙汰無しですからね。(必要なし、との判断かもしれませんが)

ただ、アスカネットの再帰反射材(製造は困難だが性能的には究極の再帰反射材であるキュービックコーナーをASKA3Dプレートの技術を応用して安価&簡単に製造できるようにしたもの)が実用化したなら、カーバイドの再帰反射材(プリズム型超高輝度再帰反射シート)との比較が楽しみなところです。