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昭栄薬品(株)【3537】の掲示板 2019/04/18〜

コロナウイルスはなぜ石けんや洗剤で殺されるのか—高校化学のレベルで解説

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ttp://konamih.sakura.ne.jp/blog/2020/03/08/コロナウイルスはなぜ石けんや洗剤で殺されるの/

洗剤は脂質二重層膜を乱して破壊する

石けんや中性洗剤,つまり界面活性剤の分子がコロナウイルスを覆っているエンベロープの脂質二重層膜を構成する脂質と同様の両親媒性の分子であることは,その膜に入り込んで乱してしまうことを示唆します。実際,バクテリアを洗剤の液に入れてかき混ぜてやって,細胞膜を破壊することで,内部のタンパク質などを取り出すのは,生化学実験の標準的な手法です(実は私も,光合成細菌の研究グループとむかし共同研究していて,界面活性剤の細胞膜破壊についての研究をしていた院生をサポートしたことがあります)。コロナウイルスはエンベロープと脂質二重層膜をまとっているために,同じように界面活性剤でその膜を破壊され,膜タンパクなどもバラバラに分解されてしまうのです。この過程では,皮膚や唾液,あるいは細菌やカビなどに豊富に存在するRNA分解酵素がはたらいて速やかな分解が行なわれます。エンベロープが剥がされることはコロナウイルスにとって致命的なんですね。

界面活性剤は,手洗い用だけではなく,台所用洗剤,洗濯石けん,ボディーソープ,シャンプーなど,身の回りのきわめて広い範囲で使われています。それらがコロナウイルスを殺してくれることはとてもありがたいことです。

どの程度の濃さなら効くのか—泡立つ濃度ならよい
ごくありきたりの洗剤でコロナウイルスを退治できるというのは心強いことですが,それではどの程度の濃さで使えばいいのでしょうか?どんな薬も毒もある限度より濃くないと効果はないのですから,そのへんは気になります。・・・

  • >>252

    せっけんはなぜ効果的なのか
     モリス氏の研究では、衣類や農産物など、日常的に触れる機会の多い物品は検討されなかった。ただし、米食品医薬品局(FDA)によると、新型コロナウイルスが食べ物を介して感染する可能性があるという証拠はない。

     インフルエンザウイルスを対象にした研究では、衣類や木材のように、ミクロな穴を多くもつ多孔質の物にウイルスを付着させた場合、4時間を超えるとウイルスは検出されなかった。多孔質の物は、ウイルスから水分を奪い、ウイルスの分解を引き起こすからだ。

     とはいえ、何を触ったにせよ、感染につながる前に手からコロナウイルスを除去するには、せっけんと流水で洗い流すのがベストな方法だ。新型コロナウイルスが人間の皮膚を通り抜けて感染することはない。人間の皮膚は弱酸性であり、ほとんどの病原菌が体内に侵入するのを防いでいるからだとグレートレクス氏は説明する。

     せっけんは、その化学的性質により、コロナウイルスのエンベロープをこじ開けて分解を引き起こすため、とても効果的だ。そして、バラバラになったウイルスの断片は水で洗い流される。手指消毒剤も、ウイルスのエンベロープを破壊するので、同様の効果を発揮する。(参考記事:「手洗いの大切さ、発見したが報われなかった不遇の天才医師」)

     水道水から感染する心配もないと、専門家は言う。ウイルス汚染があるとすれば、廃水に由来するだろうからだ。CDCによると、新型コロナウイルスは、排泄物からは見つかっているが、実は廃水から検出されたことはない。たとえ廃水中に含まれていたとしても、米国の水道ろ過システムはコロナウイルスを十分に殺せるほど強力だと米ノートルダム大学の環境工学者カイル・ビビー氏は話す。

    「水から新型コロナウイルスに感染する可能性は、理論上はありえますが、現実的には心配する必要はありません」と同氏は説明する。

    「今、絶対にやってはいけないのは、水道水を恐れて、飲むのをやめたり手洗いを避けたりすることです」(参考記事:「新型コロナ、不安がる子どもに伝えるべきことは」)