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(株)モダリス【4883】の掲示板 2024/04/16〜2024/05/16

 費用は多少削減となるが、一時的かつ、緊急避難的な止血処置と言える。これを実施したうえでも今期、来期と24億円、25億円の出血が見込まれる。23年12月末の現預金は19億円弱で、昨年11月に発行した予約権やワラント社債の転換・行使で今期に入って3億円強の資金が入っている。それでも東洋経済が予想する同社の今期事業費用(研究開発費がその大半)をすべて賄えない。もちろん、ワラントなど推定残額7億円強の転換・行使がすすめば、今期の事業費は手当てできるにしても、来期分は無理だ。
 その意味では新たな資本調達が現実的だろうが、より根本的な解決策としては、「MDL-101」などの導出で事業収益を出すことだ。だがこれは言うは易くで実現は困難だ。モダリスが進める最先端のモダニティ(創薬技術)は成功すれば史上初の承認・上市で大もうけできる可能性がある。一方で、開発の失敗や上市後の副作用など未知のリスクもはらむ。製薬大手などの提携候補企業にとっても、実際に投与して薬の安全性・有効性が評価出来るデータを待ってから、判断を決めようという思惑が働くことになりがちだ。

 結局治験申請を実現し、1相のデータが出るまで提携がまとまらない、というシナリオは大いにありえる。その意味で、当面は20億円以上の赤字継続、事業費捻出のために新たな資本調達というのが現実的な解となる公算は高いだろう。東洋経済のモデルナ業績予想もそういう前提にもとづくものだ。

 当面はモダリスが果たして今期中に予定通り「MD-101」の米国治験申請を実現できるか、久しく達成できていない「MDL-101」を含む自社開発薬群の中から一つでも導出、共同研究開発契約など事業収入を伴う提携を実現できるか、を最注視する必要がある。

(大西 富士男)