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ネットフリックス【NFLX】の掲示板 2018/11/07〜2020/04/15

ネトフリに対抗するディズニー、アップル 動画配信、乱立の先の見えない景色
https://globe.asahi.com/article/12920013

米ネットフリックスに代表される定額制の動画配信サービスが、世界で急拡大している。
今秋はディズニーやアップルも参入し、視聴者の「時間」を奪い合う配信ビジネスの競争は新たなフェーズに入った。震源地である米国ハリウッドに飛んだ。

「サブスク型」の動画配信は急拡大している。調査会社IHSテクノロジーは、世界で定額制動画配信サービスの契約数が、21年に19億件近くにまで増えるとみている。

ネットフリックスの躍進を支えたのが、徹底した顧客データの分析と優れたアルゴリズムだ。顧客の志向を見極め、次に見たくなる作品をおすすめするアルゴリズムの開発に心血を注いだ。性能を高めるために賞金100万ドル(約1億900万円)のコンペで米通信大手AT&Tなど世界中の開発チームを競わせたこともある。
日本で今年話題を呼んだ日本発のドラマシリーズ「全裸監督」では作品紹介のデザイン画面を約20パターンも用意。
恋愛ものを好むか、80年代の映画を好むか、などによってユーザーごとに表示するデザインを変える。
「アクション」「親子ドラマ」など、作品に含まれる要素を拾い出した「タグ」は何千種類もあり、実際に作品を見たスタッフにより手動で加えられている。
独自コンテンツにかけるお金の規模も他社を圧倒する。今年のコンテンツ制作などへの投資額は150億ドル(約1.6兆円)。日本の民放5社(単体)の売上総額を上回る。

大躍進を遂げたネットフリックスだが、米国では会員が6000万人に達して成長が頭打ちに。新たな成長市場と期待するのが、日本を含めたアジアや南米だ。各国発のローカルコンテンツを独自に作り、30近い言語で世界へ配信する戦略を掲げる。
9月に来日したプロダクト最高責任者のグレッグ・ピーターズは「その国や地元に密着したコンテンツは大変人気がある。グローバルなものと併せて提供していきたい」と述べた。

かつて「私たちの競合相手は睡眠だ」と発言したこともあるネットフリックスの創業者兼CEOのリード・ヘイスティングスは11月上旬、米国であったトークイベントで、ディズニーの参入などで激しさを増す動画配信業界について、こう強調した。
「この動画配信ウォーズの勝者を決める本当の戦いは『時間』だ。ディズニーも我々も、優れた作品づくりを通じてどうすれば視聴者の時間を勝ち取れるかに集中している」

相次ぐ参入の背景にあるのが、多くのコンテンツを持つ旧来のテレビ局や映画会社などの危機感だ。
ドラマや映画の配信権をネットフリックスに高値で売って恩恵を得ていたテレビ局や映画会社も、ネットフリックスの急成長を目の当たりにして、同社から作品を引きあげ、自社での配信に乗り出した。
ネットフリックスのアプリを自社製品のプラットフォームにのせて共栄してきたアップルは、「アップルTVプラス」を開始。人気ハリウッド俳優ジェニファー・アニストンらを起用した看板ドラマなどをてこに、シェア獲得に参戦した。

メディアコンテンツビジネスに詳しい米国在住の実業家、鳩山玲人(45)は「各プレーヤーがそれぞれの収益モデルを拡大するために、差別化の鍵を握るコンテンツを利用しようとしている」とみる。
ただ、こうした業界の変化は、過熱感も生み出している。英エコノミスト誌によると、過去10年間の番組制作費は、ネットフリックス、ディズニー、ワーナー3社だけで2500億ドル(約27兆円)にのぼるという。

一方、アジア勢も攻勢をかける。MIPCOMでは、中国勢の参加業者が増えている。
中国トップクラスの配信業者「テンセントビデオ」副社長のジェフ・ハンは、中国では約7億5000万人以上がネット上で動画を見ており、「6月末時点の有料会員数が約1億人」と強調した。

中国版ニコニコ動画といわれる「ビリビリ動画」は約790万人の有料会員を持つ。同社のカーリー・リー副会長は、同社のアプリは24歳以下の若者の間で最も使われているとアピールした。

また、広告収入で動画を無料配信している米「トゥビ」の創業者でCEOのファハド・マッソーディは、「1カ月の視聴時間は、5月に9400万時間だったのが、9月には1億3000万時間を超えた」と誇った。
世界中で乱立する動画のストリーミング事業について、メディアやテクノロジーの調査会社「ミディアリサーチ」のティム・マリガンは、ストリーミングサービスはすでに定着しており、「新規立ち上げは既存の同業者との競争になる」と警鐘を鳴らした。