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QDレーザー 6613の掲示板

( 6 )その他の課題
シリコンフォトニクスの試作に関して、EUにはEuropractice(IMEC, Leti, IHP)やSTMicroelectronics、 米国にはAIM Photonicsのファウンドリ(シャトル)サービスがある。また、シンガポールの科学技術庁が IME(Institute of microelectoronics)のシリコンフォトニクス部門を法人化することを決定し、少量・多 品種生産ができるアドバンスト・マイクロ・ファウンドリ( AMF )が発足した。日本では産総研を主体とした シリコンフォトニクス・コンソーシアムがシャトルサービスを開始し、産総研のスーパークリーンルームでウェ ハ・プロセスが行える体制が構築されている。独自ファブを持たない日本の大学・企業は個別にシンガポー ルの IME を利用することが多かったが、研究開発としては産総研のシリコンフォトニクス・コンソーシアムの シャトルサービスを利用する動きや、また商用としてはジャパンセミコンダクター( JSC )を生産ファブとして 利用する動きも出てきている。このようなファブは世界中の人、金、技術、情報等が集まるハブとして機能を 持つため、ファブを国内に持つことは、シリコンフォトニクスに限らず、ナノフォトニクス、さらにはナノテク 全般で国の競争力を強化するために重要になると考えられる。このような共同利用の仕組みを構築し、持続 可能な形で運営していくには、少なくともファブの維持費をまかなえる程度の多数の参加者を国内外の多様な 分野から集める必要があり、そのためには継続的な国・学会・業界等のリーダーシップが求められる。
集積フォトニクスやナノフォトニクスの研究には高度な技術が要求されるため、研究者や企業にとって新た に参入することは必ずしも容易ではない。産総研でのMWP(Multi Project Wafer)試作が利用できるよう になったことは、今後の国内関係研究の活性化に大きく貢献すると期待できる。一方、今後重要となる化合 物半導体の加工・集積についても同様な取り組みが実施されることが望まれる。企業が請け負うことも考えら れるが、設備投資や運転経費などを考えると、国の施策としての検討も必要と考えられる。集積フォトニクス はさまざまな技術が必要とされる領域融合研究であり、異なった分野を専門とする研究者間の共同研究が本 質的に重要である。異分野の研究者間の連携・融合をより強力に推し進めるための、大型プロジェクトやそ の他の枠組みの積極的な活用が望まれる。