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金融崩壊の掲示板

>>87

岸防衛相、EU議会で中国批判 「現状変更の試み執拗」

 岸信夫防衛相は17日、欧州連合(EU)議会の安全保障・防衛小委員会にオンライン形式で出席した。日本の防衛相が参加するのは初めて。岸氏は「中国は東シナ海、南シナ海で力を背景とした一方的な現状変更の試みを執拗(しつよう)に継続している」と中国を名指しで批判し、インド太平洋地域での連携を呼びかけた。

 EUは4月には「インド太平洋戦略」を策定。EU加盟のドイツのほか、英国など欧州の国々が同地域に艦船を派遣する動きもある。今回、同委員会はインド太平洋戦略を具体化していくにあたり、岸氏に出席を求めた。

 中国の海洋進出を警戒する日本にとって、日米や日米豪印の「Quad(クアッド)」に加え、EUを巻き込んだ枠組みをつくることは、安全保障上の重要な戦略の一つ。岸氏は欧州の対外貿易の4割が南シナ海を経由する点に触れ、「この海域の安全は欧州に直接影響する問題」として、連携を訴えた。また、中国が軍事的圧力を高める台湾についても、「台湾をめぐる情勢の安定は国際社会の安定にとっても重要」などと指摘した。

 茂木敏充外相も1月、EU外務理事会にオンライン形式で出席し、日本が提唱する「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)構想」を説明。5月の日本とEUの定期首脳協議では、共同声明にFOIPや台湾情勢に関する文言も盛り込まれた。外務省関係者は「日本の問題意識が、EUと着実に共有できつつある」と話した。(松山尚幹、菅原普)

朝日新聞社