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ゆく株の流れは絶えずして、しかも、徒然なるままに……息抜きしながら探し物を…。の掲示板

 

■先輩の背中を見つめる現役生
官僚や大企業に進むのが一般的な東大生だが、SLAの先輩たちの姿を見て、起業やスタートアップ参画に興味を持つ現役学生も出てきた。

「親にも官僚になるよう言われている。でも話を聞いて、かっこいい、そういう道もあるかと感じた。仕事についてもう一度考えてみたい」。昨年開催されたSLAのイベントでは、パークシャテクノロジーの上野山勝也社長(36)に相談を持ちかける法学部3年生の姿があった。

「相談してくれた事実に感動した」と話す上野山氏は、新しいキャリア選択のロールモデルが少ない現状に「(SLAが)親でも同級生でもない、間くらいの世代の先輩に接する場になれば」と願う。

起業家同士の絆、人材ネットワークとしての地盤を築きつつある東大SLAだが、次世代産業を興す未来の頭脳の苗床としての期待もふくらみ始めている。

(企業報道部 佐藤史佳、駿河翼、鈴木健二朗)

[日経産業新聞 2019年2月28日付]

  • >>150



     

    フィナテキストの伊藤祐一郎CFO(32)は、東大SLAでは林良太社長(33)の後輩にあたる。新卒入社したUBS証券でM&A(合併・買収)などを担当していたが、林氏からの数十回にわたるラブコールの末、16年にフィナテキストに移った。

    ロードスターキャピタルの屋台骨も東大SLA人脈が支える。執行役員の成田洋氏(35)や財務経理部の高橋知己氏(31)は、岩野達志社長(45)がOBテニス合宿などで「優秀だ」と目を付けた後輩だ。

    「上場を考えているんだけど手伝ってもらえないか」。上場を計画し始めた15年、岩野氏は投資ファンド出身で新規株式公開(IPO)の経験が豊富な東大SLA同期の山田泰生氏(46)にメッセージを送った。

    山田氏は、岩野氏が描くクラウドファンディングを使った不動産事業のビジネスモデルに「成長ストーリーを描ける」と感じ参画を決意。上場前後の数年間、CFOとして岩野氏を支えた。

    山田氏は現在、中小企業やスタートアップ向けの投資ファンドの立ち上げを準備している。「良いものを持っている企業を支援して成長させたい」と夢を語る。

    東大SLAのネットワークはスタートアップのプレーヤーだけにとどまらない。作家で心理カウンセラーの五百田達成氏(45)は後輩たちのメンター的存在で、年齢が一回り違う後輩のキャリア相談に乗っている。

    仲間たちのIT(情報技術)面での相談役を引き受けられる人材もそろっている。アタマプラス(東京・中央)の川原尊徳最高技術責任者(CTO、37)やフロムスクラッチ(同・新宿)の井戸端洋彰CTO(32)の知見は折り紙つき。学生時代からパソコン作業が得意だったポケットチェンジ(同・港)の中川雄一朗共同創業者(33)は、創業期のオトバンクで仕事を手伝った。