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PLUG POWER 日誌の掲示板

その2
わたしは晩生(おくて)で、中二になっても、女のしるしがありませんでした。普通は毛がはえるのといっしょに女のしるしが小六の頃にあるのです。ですから、頭の毛は黒くフサフサでも、三角の部分と脇はとても薄く、脇は除毛しなくても分からないほどで下の三角の部分は上つきののせいもあり、前から割れ目がはっきりとみえるほどです。
中二の初秋のころです。まだ蒸し暑い中、からすが家の前の街路樹の上で、犬が吠えるような鳴き声でうるさく鳴いておりました。朝早く人通りもないので、弓と鏑矢を持っ来て、街路側に立ち、脅かして追い払おうといたしました。からすの目の前をひゅうという音で脅すつもりで、矢を放ちました。
ところが、からすは突然飛びたとうとして、矢が頭を1/5ほどえぐってしまいました。らせんを描いて、からすは落ちて、しかも鮮血にまみれた白い脳みそをはみ出して、羽根と脚でバタバタと地面で苦しそうに回っておりました。
かわいそうなので、頭を踏みつぶして、死なせて上げました。
人に見られたくないので、紙袋に入れて、近くの公園の花壇に埋めてきました。
その夕方、女のしるしがありました。
翌日は、家族に赤飯を炊いて祝っていただきました。
しかしそれからは、あのからすが夢にときどきあらわれるようになり、うなされました。