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prismhit~~~明日から令和ですね。
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SUMCO、佐賀に集中投資 半導体ウエハー生産「世界最大」

およそ1420度。石英のるつぼの中で、どろどろに溶けた多結晶シリコンに「種」となる単結晶シリコンをつけた棒が近づいていく。液面に浸された種は回転しながらゆっくりと引き上げられ、徐々に大きな結晶へと成長する。

1週間ほどかけてできあがるのは直径300ミリメートル、長さ約2.5メートルの銀色に輝く円柱だ。この「インゴット」を厚さ1ミリ程度の円盤にスライスし、鏡のように磨き上げれば半導体の基板となるシリコンウエハーができあがる。

佐賀県伊万里市は「先端半導体ウエハーの世界最大の生産拠点」(龍田次郎副社長)だ。シリコンウエハーで信越化学工業に次ぐ世界シェア2位につけるSUMCOは伊万里に久原、長浜の2工場をもつ。台湾積体電路製造(TSMC)をはじめ世界中の半導体メーカーにウエハーを供給しており、福岡空港などから各国へと空輸している。

SUMCOにとって九州は国内に7つあるウエハー工場のうち、5工場を構える重要拠点だ。佐賀県江北町の佐賀工場でも300ミリウエハー向けの結晶や200ミリウエハーをつくり、子会社のSUMCO TECHXIVがもつ長崎工場(長崎県大村市)では300ミリ、宮崎工場(宮崎市)では200ミリに対応。従業員数も佐賀県と長崎県の事業所だけで約5000人(23年末時点)と、グループの半数を占める。

  • >>7746

    SUMCOは九州での拠点や人材の集積をテコに、さらなる巨額投資に打って出た。

    21年から伊万里、長崎で進めている2000億円規模の既存工場増強計画に加え、伊万里にはさらに別の新工場棟を建設。佐賀県内に新たな用地も確保して新工場を建設する。追加投資の総額は2250億円。経済産業省の「供給確保計画」に指定され、3分の1にあたる最大750億円の補助を受ける見通しだ。

    弥生時代の大集落跡、吉野ケ里遺跡で知られる佐賀県吉野ケ里町。ちょうど1年前、SUMCOはまだ田んぼが広がっていた22万平方メートルの広大な県営産業用地をいち早く押さえた。県による造成は未着手でこの夏、本格的に始まる見通しだが、すでに譲渡契約まで締結済みだ。

    吉野ケ里には伊万里でつくったインゴットをスライスする工場を建設する計画で、300ミリウエハーを月10万枚生産できる設備を導入する。伊万里の新工場棟では月20万枚分に相当するインゴットを生産する。ともに29年10月の供給開始を見込む。

  • >>7746

    SUMCOは1999年、伊万里と江北の工場を持っていた住友金属工業(現日本製鉄)と三菱マテリアルが300ミリウエハーの生産に向けて設立した「シリコンユナイテッドマニュファクチュアリング」が母体。その後、両社のシリコンウエハー事業を吸収し2005年に現在の社名となった。

    翌06年にはコマツから半導体ウエハーを手掛けていたコマツ電子金属(現SUMCO TECHXIV)を買収。長崎と宮崎の工場が加わった。世界2位の地位を盤石にし、さらに上を目指して拡大路線を突き進むSUMCOにとって、工場を動かす人材を九州でどう育成し確保していくかが大きな課題になる。

    5月下旬、熊本高専(熊本県合志市)にSUMCOが寄贈したシリコンウエハーや製造工程を紹介するショーケースがお目見えした。専攻科2年の清水響子さんは「鏡みたいにキレイに反射して驚いた。改めて関心が高まった」と目を輝かせる。

  • >>7746

    SUMCO人事労政部の渕上正樹部長は「半導体に興味があっても、素材メーカーにまで関心がある学生はあまり多くない」と嘆く。半導体人材の育成に力を入れる教育機関に期待をかけており「学生に見てもらい(入社の)きっかけにしたい」と地道な取り組みを続ける。

    九州工業大学とは17年からパワー半導体向けウエハーの評価方法について共同研究を進めてきたほか、エンジニアと研究者の意見交換会、工場見学のバスツアーなども実施。23年12月に改めて包括協力に向けた協定を結び、シリコンウエハーの高品質化や生産性向上に向けた共同研究や実証実験に取り組む。

    半導体の裾野を支えるマテリアルは幅広く、奥深い。工学のみならず化学分野の人材もシリコンアイランドの重要な担い手となる。