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prismhit~~~明日から令和ですね。
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>>5962

市場が注目していたのは市場とのコミュニケーション手法の見直しだ。現在、英中銀は市場が織り込む金利予測を元にした扇形の「ファンチャート」でインフレ予測を示している。「1996年に始まった時は目新しかったが、今は民間金融機関が手元でも作れる。何の役にも立っていない」といった声がトレーダーらからは聞かれていた。バーナンキ氏はこのチャートを「有益な情報をほとんど伝えておらず廃止すべきだ」とした。

代わりに、英中銀独自の見通しを示すことを検討するように提言した。見通しに加え、様々なリスクの可能性を踏まえて複数のシナリオを公表することを推奨した。中銀は報告書を受けて年内をメドに新たな手法を決める。

中銀の市場とのコミュニケーションツールとしてはFRBが米連邦公開市場委員会(FOMC)で示す「ドットチャート」が代表例だ。FOMCのメンバーがそれぞれ予測値を点描で示す。この方式を12年に導入したのが当時FRB議長のバーナンキ氏だったことで、今回も導入の是非が注目された。

ドットチャートの開示については賛否がある。「メンバーが考える幅を示すことでいろいろなシナリオがあることを示すことができる」(エコノミスト)といった半面、「メンバーの個別予想を示すFRB形式のドットを提供することは情報が多すぎる」(JPモルガンのエコノミスト、アラン・モンスク氏)との意見も少なくない。モンスク氏は、米地区連銀総裁はそれぞれで独自のスタッフを持つが、英金融政策委員のメンバーは全員が共通のスタッフに依存することになる点も指摘する。

FOMCには、議長や理事に加え12の地区連銀が参加する。地区連銀総裁で投票権があるのは常時投票権を持つニューヨーク連銀を含む5地区連銀総裁だ。「ドットチャート」の点描はFOMCが開催される前週金曜日の終わりまでに各メンバーが本部に提出。公式には2日間あるFOMCの2日目の朝まで変更が可能だ。各地区の連銀スタッフがそれぞれの総裁を支えている。

そもそも英中銀がこの「バーナンキプロジェクト」を始めたのは政治の圧力の影響が大きかった。英国のインフレ率は23年10月に41年ぶりとなる11.1%を記録。主要先進国では最もきついインフレに直面しベイリー総裁は議会で矢面に立たされ、インフレへの対応が遅れたことを認めた。